検索キーワード「伊予砥」に一致する投稿を関連性の高い順に表示しています。 日付順 すべての投稿を表示
検索キーワード「伊予砥」に一致する投稿を関連性の高い順に表示しています。 日付順 すべての投稿を表示

2012年1月20日金曜日

伊予砥とエビ印セラミック砥石で永弘鉋を研ぐ


You TubeにUPした研ぎ動画
画像を紹介しておきます
研いでいる鉋身は古い新潟鉋
二代目・永弘寸八です

最初に使っているのは
荒目の伊予砥(中砥)
これは粗砥と言ってもいいくらいです






次に使っているのも伊予砥ですが
これは細目の粒度です
このように優れた伊予砥は今では
めったにお目にかかれません






そして中研ぎの最終段階として
エビ印セラミック砥石の#3000を使いました

粒度が#2000以上の人造砥石は
研ぎにくいものが多いのですが
これは商品の宣伝コピーで謳ってあるように
「天然砥石の研ぎ味」を味わうことができます
研ぎ上がりは粒度の細かい人造砥独特の
ギラギラとしたもので個人的には
好きではありませんが、研磨力が強い
という長所を優先したいと思います




仕上研ぎの最初は岐阜県産の合砥です
この砥石は普段は中継ぎとして使っていますが
細かめの粒度ですので

人造砥の#3000の後に使うと
これだけで充分仕上がっています




参考のため京都梅ヶ畑・中山産のカラスで
最後の鏡面仕上げをしました

カラスの出ている仕上砥はザラツキ気味で
あまり好きではありませんが
このカラスはほとんど悪影響はなく
ほど良い研磨力を及ぼしています

2019年3月31日日曜日

宮町青砥と沼田虎砥

姫路の砥石専門店
御吉兆さんから
群馬県産沼田虎砥と
滋賀県信楽shigaraki産の
宮町青砥のサンプルを
送って頂きました

宮町青砥は噂には聞いていましたが
始めて実物に出合いました
鎌砥サイズの小さなものなので
寸二鉋を研いでみました
研ぎ動画UPしました
ザクザクとした荒い研ぎ感で
強い研磨力があります

研ぎ上がりは粒度がよく揃っていて
研ぎ傷が浅く地鉄、刃ともに
緻密に研ぎ上がっています
たいへん優れた中砥です

次に沼田虎砥
かなり硬い石質なので
研ぎ動画では
電着ダイヤモンド砥石で
目起こしをし、砥汁の残したまま
研ぎ始めました

目〆系の硬い砥石なので
このように鋼haganeが
ピカリと光る程度に砥ぎ上がります
中研ぎの最終段階として
威力を発揮してくれます

左が今回の沼田虎砥
右は以前入手したものですが
これも沼田虎砥で
縞と白地が混じったものです
縞の色あいは違いますが
縞の雰囲気、石の質は
よく似ています

右は福井県産浄教寺砥jokenji-to
ですが、縞の感じは似ていますが
石質はかなり違った印象を受けます

こちらは愛知県産三河名倉砥(右)
これは縞の感じ、石質ともに
明らかな違いがあります

こちらは岐阜県産小鳥砥odori-to
これも一目瞭然違いが分かります

こちらは愛媛県産の伊予砥(左)
縞の感じ、石質
どちらもかなり違います



この画像左端も伊予砥です
縞の感じはやや似ていますが
石質はかなり違います


仕上砥ぎは
中継ぎとして右の新田産・戸前
左は最終仕上げに使った
硬口の大平産内曇砥


研いだ鉋は
古い大阪鉋、勘兵衛・寸二

2012年11月12日月曜日

幻の砥石、浄教寺砥を入手


徳島に出発する前日に
いつもお世話になっている砥石店から
今では幻の砥石となってしまった
浄教寺(じょうけんじ)砥の
コッパをいただきました
(浄教寺赤砥はこちらを参照ください)

浄教寺は常見寺と表記されたりしますが
江戸時代の砥石に関する文献では
常慶寺と記されています

たとえば、雍州府志では
「越前えちぜん(福井県)に常慶寺砥というものがあり、
これは俗に「じょうけんじど」と呼ばれている」
と説明されています(参照



出発直前まで砥石を試していたのですが
その研ぎ心地、研磨力、研ぎ傷の精緻さに
何度も感嘆の溜息が出ていたのでありました
日本刀の研ぎでも使われていたことが
よく理解できます
この砥石は福井県で産していたということですが
早くに掘り尽されてしまったようです
その代替品として伊予砥が
使われるようになったようですが
その伊予砥も良質のものがなくなり
現在では備水砥や天草砥
そして人造砥が使われています


砥石の表面を観察した感じでは
粒度が粗そうに見えたのですが
実際に研いでみると
ザクザクとした研ぎ応えからは
想像ができない精緻な研ぎ傷でした


これは違った角度から撮影したもの
研ぎ動画を紹介したブログ参照下さい

後に新たに手に入れた浄教寺砥

2012年11月15日木曜日

幻の砥石・浄教寺砥を使った研ぎ動画の画像


12日に紹介した幻の砥石・浄教寺砥
使った研ぎの画像をUPしておきます
これは動画で最初に使っている
福島県産の会津荒砥
粒度は約400番
やや硬めで、ほど良い研ぎ感
たいへん使い易い砥石です

研いでいる鉋身は11日の鉋仕立ての
レクチャーで裏出しをし
この鉋刃はギター製作用として
研ぎ上げていきました

次に荒目の伊予砥
粒度は約600番
これはやや柔らかめですが
その分よく下り、研ぎやすい中砥です

そして、幻の浄教寺(じょうけんじ)
常見寺とも表記されます
江戸時代の砥石に関する文献では
ほとんど常慶寺と書かれています
たとえば、江戸時代の初めに書かれた
雍州府志では
「越前えちぜん(福井県)
常慶寺砥というものがあり、
これは俗に「じょうけんじど」と
呼ばれている」
と説明されています(参照


こちらは同じく浄教寺赤砥
これも福井県に産しますが
現在では掘られておらず
大正時代頃まで掘られていたようです
粒度は赤砥の方がやや粗い感じで
傷も深いような気がします
研ぎ感も赤砥の方が力があります

後に新たに手に入れた浄教寺砥

そして三河名倉砥、層はアツと思われます
強い研磨力があり
浄教寺砥の傷が僅かの時間で消えました
日本刀の研ぎでは
浄教寺砥の後は改正名倉をかけますが
一般的な刃物でしたら
その必要はありません

仕上げ研ぎは
中継ぎとして奥殿産巣板

そして最後の鏡面仕上げは
仕上砥石の名門
京都梅ヶ畑産の中世中山砥です
これはそこそこ硬い石質ですが
反応が良いので
心地よく研ぐことができます
これはさゞれ銘砥さんから
お世話になりました

2019年1月29日火曜日

優れた西物仕上げ砥石

地元の方の協力を得て
昔採掘されていた砥石山を見学



採取させて頂きました

京丹波産(西物仕上げ砥石)


試し研ぎ動画 

ハイス鉋を研いでみてビックリ
こちらは上の画像右のもの

そして左のもの
こちらの方が研ぎ感は滑らかで
研ぎ上がりも緻密です
砥ぎ疵はやや粗めですが
ハイス鉋がこのように
全体が美しく砥ぎ上がる仕上砥は
手許には他にありません

側の様子

砥ぎに使った砥石
画像左から人造砥石・研承1000→
伊予砥(中砥)→今回採取した仕上砥

京丹波産の他の産地の仕上砥と
比較してみました
左の二枚が今回のもの
その右は亀岡・大内産
右端は園部・池ノ内産
上は園部・八木ノ島産

大内産でハイス鉋を研いだ状態
画像では分かりにくいですが
今回採取したものよりは
砥ぎ疵がやや粗めで
地・刃ともに研ぎ上がりに
ムラがあります

これは池ノ内産
こちらも研ぎ上がりに
ムラが見られます

そして八木ノ島産
こちらも同様で
今回採取したものとは
研ぎ上がりが、ずいぶん違った
印象を受けます

次に東物と比較してみました
右は仕上砥氏の名門
梅ヶ畑産の戸前です

研磨力が強い影響か
鋼(刃)が黒く研ぎ上がっています
研ぎ上がりのムラも
かなりあります

撮影の角度を変えてみました
砥ぎ上がりのムラが顕著です

こちらは今回採取したもの
地・刃ともに均一に
しっとりと研ぎ上がっています
砥ぎ疵はやや粗いものの
日本刀の古刀のように
美しく研ぎ上がっています

砥ぎ上げたハイス鉋を
仕事で使ってみました
黒檀削り