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2021年8月12日木曜日

ディタル・マリアハープ 響板仕上げ

製作中の
ディタル・マリアハープ
これから響板を仕上げ
力木を接着していく
まずは鉋研ぎ









応援隊長の象さん

寸八鉋での仕上げ削り
使った鉋は
佐野勝二作「昭豊銘」
鋼は特殊鋼、青紙1号
と思われます

こちらは無銘で
鋼は炭素鋼系

2019年6月23日日曜日

超仕上げ砥石 新たな体験

趣味で研ぎを極めている方が
超仕上げ用の天然砥石を
持ってきて下さいました
趣味といっても本格的で
それが高じて原石を仕入れ
ご自分で加工され
これからは販売も
行っていかれる
ということです
今回は超硬口の
鏡面仕上げ用の砥石を
見せて頂きました

まずこれは
京都の鞍馬山の黒砥石
たいへん珍しく
貴重なものだそうで
バブル期には1億円以上の
価格で取引されていたそうです
左は研ぎ面が板目
右は柾目に成形されています
研がせてもらった感じでは
やはり左の板目の方が
研ぎ上がりは緻密でした
研ぎに際しては
かなり硬い石質なので
目起こし(ダイヤモンド砥石で
砥面を擦り、砥汁を残したまま
研ぎ始める)をし
研ぎ進めると
砥汁が粉砕されずに
刃物の研ぎ面を荒らします
ですから、後にリンクした
動画のように
前段階の仕上砥ぎの砥汁を
砥面に付けて研ぎ始めると
より効果的に
研ぎ上げることができます

これは兵庫県北部の
砥石ヶ岳の砥石(玄武岩)
だそうです
超硬口の中砥といった感じです
ですから通常の
ダイヤモンド砥石による
目起こしが効果的です

そしてこれは
動画で使っているもの(左側)
昭和30年頃から35年頃に
販売されていた桂川支流の
丹波地域で採集された
チャートになりかけの
石だそうです
この砥石は当時の
大工さんの年収分で
取引されていたそうです
また、大工さんの他、理髪店、
刀剣研磨師などに
販売されていた
ということです
ここでは便宜上「丹波砥石」
Tanba toishi whetstone 
と命名しておきます

こちらは左は
新潟県産の玉gyoku
よく観察すると
蛇紋岩と軟玉、
そして硬玉(翡翠・ヒスイ)が
混在しています
玉は大変硬く粘りのある
石質なので
砥汁を付けてもツルツルと
滑る感じでした
ですから剃刀の
最終仕上げなどには
向いているのではないかと
思います

右は愛知県産の三河油石
油石といっても油で研ぐ
オイルストーンではなく
見かけが猪肉の脂身に
似ているので
このような名前が
付けられたのだそうです
これは荒めの
アーカンサス砥石と
いった感じです


こちらは北海道の石だそうで
左は十勝石(黒曜石)で
右は蛇紋岩だそうです
黒曜石はほとんど
ガラスと同じで
硬度もそれほど
硬くはないので(硬度5)
仕上げ砥石として
充分使えると感じました
これも砥汁を付けて研ぎますが
グイグイと刃物に
喰い付いてきて
研ぎ上がりも文句なしです

右の蛇紋岩は

このメノウと同様
硬度は7ほどありますので
上の玉と同様の硬さですが
上滑りせず、心地よく
研ぐことができます

動画で使った丹波砥石の緑系
研ぎ感は滑らかで
刃物への喰い付きも程よく
心地よく研ぐことができます




カッターナイフで傷が付くので
ガラスや黒曜石よりは
柔らかい石質です
ガラスや黒曜石の硬度は5
カッターナイフでは
傷が付きません


動画で最初に使ったのは
福井県産寺中砥 Jichu-to
(細かめの中砥)

光を反射させて撮影

仕上げ研ぎの最初に使った
滋賀県相岩谷産 Aiiwadani 
巣板 Suita

そして最終仕上げに
使った丹波砥石
研ぎ上がりは地・刃ともに
しっとりと深く落ち着き
何とも言えない魅力ある趣を
得ることができます
研磨力も強く
一旦研ぎ上げた返りを除去して
再度研いでみると
数回のストロークで
刃返りが出ています
これには驚かされます

研いだ鉋は佐野勝二作
昭豊銘・寸八
鋼は青紙1号と思われます

 

鉋をかけたMaple メープル材
逆目は完全に止まり
全体にシットリとした艶です

2014年11月13日木曜日

小熊寅三郎鉋と佐野勝二鉋削り比べ YouTube動画の画像

以下紹介する画像もYouTubeにUPしたもので
画像紹介を忘れていたもの
新潟与板の鉋鍛冶、故・小熊寅三郎作「羅生門」銘寸八と
東京鉋の名工、故・佐野勝二作「昭豊」銘寸八とで
削り比べを行ったもの
鋼はどちらも昔の安来鋼・青紙と思われます
羅生門銘・寸八
これは若狭砥を採掘している天然砥石尚さんから
お世話になったもので、昔の職人さんによって
使われていたものです
台も全体に汚れていたので鉋をかけて
汚れを取り除きました


刃口の赤樫の埋木も緩くなっていたので補修




裏出し・裏押しの後、研ぎ上げた状態


鎬面は刃先から2mmほどを約28度で研ぎ直しました


天然砥石尚さんからお世話になったので
敬意を表して若狭・田村砥で最終仕上げを行いました
これは、以前紹介した黒い筋が全く当たらない不思議な仕上砥




研ぎ上がりの状態から
鋼はかなり強靭そうな印象を受けます


動画撮影前の状態


動画撮影後の状態
右は佐野勝二作「昭豊」銘・寸八




動画では強烈な逆目と深い杢の入った
Walnutウォルナット材を削ってみました
これは羅生門・寸八


昭豊銘・寸八


動画撮影後の刃先の状態
羅生門・寸八はほとんど変化はありません


こちらは昭豊・寸八
きれは止んでいませんが、刃先が白く磨耗しています
佐野勝二作「昭豊」寸八は手持ちの鉋の中では
ハイスや超特殊鋼を除いて、トップクラスの
強靭さを誇っていたのですが(参照
小熊寅三郎作「羅生門」寸八に軽くいなされてしまいました
驚きました・・脱帽・・

2014年1月12日日曜日

千代鶴銘寸八と昭豊銘寸八鉋 削り比べ

佐野勝二と思われる千代鶴銘寸八鉋と
佐野勝二作・昭豊銘寸八を使って削り比べをやってみました
削った材は堅めで深い杢のCurly Mapleカーリー・メープル
通常の鉋でしたらすぐに刃先が磨耗するガンコな材です
これをできるだけ厚く削って逆目を止めるという
通常の仕事で使うやり方で削ってみようと思います
動画で最初に使ったのは右の昭豊銘・寸八










こちらは昭豊銘・寸八
薄板削り用として砥いでいたので
やや削り幅が狭くなっています


削り肌に艶があり、逆目もきれいに止まっています


刃先はほとんど変化はありません
左端の刃先が白いのは砥ぎが不十分なためです



こちらは千代鶴銘・寸八
動画の音からも判断できると思いますが
昭豊銘よりは削りに粘りがある感じです


こちらも艶のある削り肌で、逆目も止まっています


刃先も変化なく、かなり強靭な刃です
佐野勝二作と言っても過言ではないでしょう