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2016年12月6日火曜日

工房の様子 ギターの横板曲げとヘッドの加工

横板の厚み仕上げ

荒削りに使った秀弘銘・寸三
手持ちの炭素鋼の鉋の中で最も永切れする
青紙鋼の鉋にも匹敵するものはあるが
切れの軽さはこちらに軍配が上がる



仕上げ削りは義廣銘・寸六
これは青紙鋼だが、かなりの永切れを発揮してくれる



厚み仕上げ完了

挿し込み部分の厚み

その他の部分
現状では1.8mmだが
この後の工程で縁飾りと一緒に削ったりするので
最終的には1..6mm程度になる


曲げていく


2台分を曲げる


その後、ガルシア・タイプのヘッドを加工し
嵌め込む貝シートを切り出す










出来上がり
貝シートはもう少し薄くし
嵌め込み接着は最後に行う


下部ブロックの加工

出来上がり

2015年9月21日月曜日

鉋一挙8枚研ぎ 主力の砥石 そしてギターの横板

今日の作業
製作中の特注ギター
2台分の横板を削る

19世紀ギターKiyondタイプに使う
オバンコール材はかなりガンコで
削るのはなかなか大変・・

切れが止んだ鉋刃を一挙8枚研ぎ
身幅45mm~72mm
切れが止んだ状態から研ぎ上げまで
8枚で約50分
1枚あたり約6分で
済んでいることになります
これは研ぎ幅(刃先から鎬までの幅)を
5mm~9mm程度にしていることと
優れた砥石を効率良く使った
結果だと思います
現在使っているのは天然砥石ばかりで
人造砥石は使っていません
その内、中砥ぎは3種類
仕上砥ぎは1丁か2丁
中砥ぎでは3番目に最終中砥ぎ
として使うものが重要で
今は硬口の寺中砥(じちゅう砥)と
思われるものを主に使っています
これまで数多くの
硬口中砥を使ってきましたが
これは最も優れているかな・・
という感じです

現在主力で使っている砥石たち
下段左から3丁は中砥で
左端は沼田虎砥とされるもので
粒度は約600番
その右は京丹波亀岡、岡花産青砥
(やや硬口)で粒度は約1000
その右は寺中砥と思われるもので
粒度は約1500
右端は仕上砥の京都梅ヶ畑
奥殿産本巣板天
上段左は産地不明の仕上砥で
最終鏡面仕上げ用
かなりの硬口で
砥汁はわずかしか出ませんが
刃物への喰い付き加減と
滑走感のバランスが絶妙で
研ぎ上がりも素晴しいものです
その右は裏研ぎ専用の
硬口仕上砥(産地不明)


寺中砥と思われる天然砥石
鉋身は古いもので身幅55mmの寸三
銘は秀弘ですが詳しいことは分かりません
鋼は炭素鋼で、刃先の強靭さは
手持ちの炭素鋼鉋の中では
最も優れています


寺中砥は福井県で採掘されていた中砥で
浄教寺砥と同じ山だということです
粒度がよく揃っていて
研ぎ上がりの緻密さは
浄教寺砥とよく似ています
一見、沼田砥のようにも見えますが
沼田砥はかなりの数を試してきましたが
粒度が細かいものでも
研ぎ上がりはもっと荒く
このようには研ぎ上がりません

2014年8月18日月曜日

中野武夫氏作 東郷鋼鉋 削り比べ 

まず、中野武夫氏作東郷鋼鉋
(寸三・身幅55mm)を
他の特殊鋼、安来鋼青紙スーパーと
燕鋼の寸三鉋と削り比べを
やってみました
左から東郷鋼寸三、青紙スーパー鋼寸三、燕鋼寸三


削った材はギター用材として
最も削りにくいものの筆頭
ホンジュラス・ローズウッド

粘りが強く強烈な逆目交じりの堅材
これを荒削りしてみました

動画で最初に使ったのは
中野武夫氏作東郷鋼・寸三

刃角度は約25度

動画撮影後の刃先の状態

次に使ったのは青紙スーパー鋼・寸三
一応、銘にモザイクをかけ作者は
伏せておきます

刃角度は約28度

動画撮影後の刃先の状態

最後に燕鋼・寸三
これも銘にモザイクをかけ作者は
伏せておきます

刃角度は約28度

動画撮影後の刃先の状態

鉋身の仕込み角度は
手前の東郷鋼と青紙スーパー鋼は
ほぼ八分勾配(約40度)
奥の燕鋼はほぼ九分勾配(約42度)
動画撮影後の刃先の状態は
3丁ともほぼ同様ですが
燕鋼は切れが止みかけています
東郷鋼と青紙スーパーはまだ切れていますが
切れが軽いのは東郷鋼の方です
削る音も東郷鋼は最も軽い感じがあります

次に中野武夫氏作東郷鋼鉋・寸三と
(身幅57mm、炭素鋼)とで
削り比べをやってみました

左が東郷鋼・寸三(刃角度約28度)
右は秀弘(炭素鋼)・寸三(刃角度約28度)


削った材は同じ
ホンジュラス・ローズウッドです
これは東郷鋼

動画撮影後の刃先の状態

これまで現代製の東郷鋼鉋を
いろいろと手に入れ、使ってみましたが
どれも仕事で使えるレベルでは
ありませんでした
しかし、この中野武夫氏のものは
これまで使った中では最も強靭で永切れします
充分仕事で使えます

こちらは秀弘寸三

動画撮影後の刃先の状態
こちらは東郷鋼よりも
やや刃持ちがいいような気がします
研いだ感じは東郷鋼よりも強靭で
研ぎ上げるのにやや苦労します

動画の削る音を聞いて頂くと
この秀弘鉋の方が鋭い感じが分かって
頂けると思います
やはり優れた炭素鋼は切れが軽く
しかも永切れし
ついつい手が伸びてしまうのです・・