2013年1月14日月曜日

古い会津鉋、重時銘寸六を研ぐ


古い会津鉋、重時銘寸六を研いだ
動画をUPしました

今回二度目の研ぎになりますが
試し削りで刃先がかなり
摩耗していたので
最初は荒めの伊予砥を使いました
粒度約800

刃角度を26度ほどに修正しているので
研いだのは刃先から5mmほどです
鋼(おそらく東郷ハガネレイ
号)が強靭なので
砥石の反応が鈍いのが分かって
頂けると思います
この伊予砥では途中目起こしをし
砥泥を出して研ぎました

次に丹波亀岡・岡花産青砥
(粒度約1200)を使いました
この砥石も通常の刃物には
良く反応するのですが
今回の研ぎでは鈍い反応でした
動画でお分りのように
以下どの砥石にも同様の反応です


仕上げ研ぎは丹波亀岡産の
3種類を研ぎ比べてみました
最初に使ったのは丸尾山産巣板・黒蓮華


そして一本松産砥前


そして先日紹介した大内産仕上砥


最終仕上げはこれも先日紹介した
京都梅ヶ畑・中世中山産仕上砥


2013年1月11日金曜日

重房銘鉋身を研いでみた


昨日届いた重房銘の寸六鉋身の裏押しをし、研いでみました

裏押しを終えた状態



研ぎの仕上げには京丹波亀岡・大内産の仕上砥を使ってみました
あまり良い状態ではありませんが
筋はあたらず、問題なく使えます



やや硬めですが良く反応し、強い研磨力があります



大内は丸尾山を採掘されている砥取家さんがある地域ですが
そのためか丸尾山産の仕上砥とよく似た仕上がりです



違う角度で撮影したもの
地鉄(じがね)は荒めの仕上がりで鋼(はがね)は微塵に曇ります
刃角度を26度ほどに変更しているので
刃先から6mmほどを仕上げています
 



最終仕上げとして京都梅ヶ畑・中世中山産仕上砥を使いました
かなり硬い石質ですが、硬さを感じさせない研ぎ感です



ご覧のように地・刃ともにスッキリと冴えました




違う角度での撮影
刃先に研いだ際の返りが細かく残っています
鋼はやや甘めの焼き入れとなっているようです
ギター製作で使えるかどうか気になるところです・・
30年ほど前に重房銘の小刀を手に入れ
ギター製作用として使ったことがありますが
焼きが甘すぎ、使うのを断念したことがあります・・





これは今回の鉋研ぎとは何の関係もありません・・
近所の猪肉販売店で売られていたので買ったものです
猪(イノシシ)の牙ですね・・
この牙も猪の道具として理想的な形をしているのだと思います・・




2013年1月10日木曜日

19世紀ギター Laprevotte タイプ完成

弦長625mm どちらもSuzuki音律「文殊」


奥のものは、響板と裏板を野村隆哉研究所にて
熱化学処理してもらったもの

音出しの動画UPしております


































2013年1月9日水曜日

重房銘の寸六鉋身を入手



荷物が届くと真っ先に検査・・



重時銘の鉋身を挿げる台も届きました



これが新たに手に入れた会津・重房銘の鉋身と裏金
新潟の外栄金物さんからお世話になりました



(はがね)をグラインダーにかけると炭素鋼系の火花が飛びます



重時銘・寸六と並べてみました




この刻印の重房銘は何代目のものか判然としませんが
登録商標は取得されていたことが分かっています







身幅は左の重房銘は約67mm
右の重時は約65mm
身の厚さはどちらも厚いところで約8mm



2013年1月6日日曜日

会津刃物 重明銘の鉋身を入手

江戸時代から刃物産地として名が知られていた会津
その地で打たれたと思われる重明銘の寸六鉋身を手に入れました

あまりよい状態ではありませんが
何とか使えるようにはなりそうです
かなり使い込まれていて鋼(はがね)部分は
あと3cmほどしか残っていません

重明銘は重房銘の分家筋の流れで
初代重房は江戸時代末の刀工です
明治維新後、廃刀令が出てからは
刃物鍛冶を専業とし、その傍らで刀も打っていたようですが
重房銘は初代重房の長男と二男が受け継ぎます
その後、互いに本家を主張したため協議が行われ
結果、銘の「重」という字の切り方で違いを付けることにし
「重」の字の縦中央に引かれている線が
里という字に収まっているのが長男・安右衛門一門の字体
里という字から上に抜けているのが二男・猪之吉一門の字体
ということで決着したということです
上に紹介した重時銘の「重」は里の字から上に抜けているので
二男・猪之吉一門の流れということになります
(堤章著「会津の刃物鍛冶」による)

その他手持ちの会津鉋


鋼をグラインダーに当ててみたら
火花はほとんど出ませんでした
ということは鋼材は東郷ハガネでしょうか(参照)・・