2013年5月8日水曜日

國弘銘寸六鉋を入手 日原大工の國弘と削り比べ


使い込まれた古い寸六鉋を手に入れました

銘ははっきりとは確認できませんが
國弘でしょう サイズは寸六(身幅65mm)

日原大工の棟梁が使っていた國弘鉋と比べると
右の寸三のものに似ていますが
篆字の「天」の字が微妙に違っています・・

手に入れた状態では
一応研ぎ上げられていましたが
刃先に大きな刃こぼれがあり
裏ももう少し出したいところなので

裏押しをやり直しましたが
画像左側の鋼部分が無くなってしまいました
しかし、何とか使えるでしょう


地鉄は日原大工のものと同様ですが・・

研いだ際の刃の返りが大きいのが気になりました
焼き入れが甘いか・・

台の表面を鉋で薄く削り汚れを除去しました

削り面も調整し、これで使えます

ということで、日原大工が使っていたものと
削り比べをやってみました
YouTube動画UPしました

削った材は、製作中のギターの響板に使う
30年ほど寝かせたヨーロッパ・スプルース

動画で最初に使ったのは
新たに手に入れた國弘銘寸六

動画撮影で削っただけで
刃先がかなり摩耗していました
これは凡庸な出来の刃ですね・・
日原大工の棟梁が使っていたものとは
雲泥の差を感じます

これは日原大工の棟梁が使っていた寸三小鉋
この鉋は4日に研ぎ上げてから
削り比べでかなり使っていますが
研いでいない状態から使いました

さすがに刃先がかなり摩耗していますが
まだ切れは止んでいません

新たに手に入れたものは
ギター用響板を1枚ほど削っただけで
このような状態になったのです・・

これは日原大工の棟梁が使っていた寸六長台鉋
これも3日に研ぎ上げてから
まだ研いでいません

こちらも刃先がかなり摩耗していますが
まだまだ切れます


2013年5月7日火曜日

重延を含む寸六鉋4丁でギター響板用スプルースの削り比べ


古い会津鉋、重延寸六を台に挿げたので
日原大工の棟梁が使っていた國弘寸六長台の他
古い三木鉋と思われる別所与三郎銘寸六と
東京鉋の國明寸六を使い削り比べをやってみました
YouTube動画UPしました
左から重延寸六(刃は特殊鋼)、國弘寸六長台(刃は炭素鋼)
別所与三郎寸六(刃は特殊鋼)、國明寸六(刃は特殊鋼・青紙)





左が重延寸六、右は國弘寸六長台


こちらの左は別所与三郎寸六、右は國明寸六




削った木は、これから作り始めるギターの
響板として使うヨーロッパ・スプルース材
これは30年ほどエイジングさせたものです
動画で最初に使ったのは重延寸六


長期間寝かせたスプルース材は
木細胞のミネラル分が結晶化しているためか
鉋の刃先が摩耗しやすいのですが
この重延はそれほど摩耗していません



日原大工が使っていた國弘寸六長台は
研いでからこれまで様々な削り比べで使いましたが
その後研いでおらず、まだそのままの刃の状態です


さすがに刃先が白く摩耗していますが
まだ切れは止んでいません



これは別所与三郎寸六
鋼は昔の安来鋼・青紙か東郷鋼と思われますが


さすがに刃先がやや摩耗しています



國明寸六


画像では分かりにくいですが
4丁の鉋の内、刃先の摩耗が最も顕著でした
一般的な青紙鋼の鉋はこんなものです


2013年5月6日月曜日

古い会津鉋、重延寸六の台を打つ


國弘寸四小鉋と


舟弘作、天慶小鉋で削った


樫の木で


先般手に入れていた古い会津鉋、重延銘寸六の台を打ちました




身の仕込み勾配は八分五厘

押え金は明日収めることにします





鉋削り比べ


播州(兵庫県南部)三木市発祥とされる
日原大工の棟梁が使っていた国弘寸三小鉋と
現代の名工、新潟県与板の刃物鍛冶
舟弘こと船津祐司氏が鍛えた「天慶」銘の小鉋(鋼は特殊鋼系)
そして古い会津鉋、重道銘の寸六鉋で削り比べをやってみました

左から天慶小鉋(身幅42mm)、國弘寸三小鉋(身幅54mm)
そして右は先般手に入れていた重道寸六
刃角度は3丁ともほぼ同じで、約27度 
ブログ参照下さい
ここで紹介している最初の重道鉋身が今回のものです




動画では最初にセドロ材(Spanish cedar)を削り
次にメープル材(Maple)を削りましたが
この画像はメープルを削ったものです
(製作中の19世紀ギター、ラプレヴォットLaprevotteタイプの
1枚板の裏板になるものです


この國弘寸三小鉋は前回最初に削り比べを行ってから
刃は研いでおりません
刃先はまだまだ健全で、驚くほど永切れします




そして天慶の小鉋ですが
特殊鋼にもかかわらず切れは軽く
メープルでも心地よく削ることができます






刃先もまだまだ健全です




最後に会津鉋の重道寸六
炭素鋼なので切れは軽く
永切れが期待できそうな手応えを感じます


刃先は問題ありません




動画の削り比べを行った後
國弘と天慶で樫の木を削ってみました
堅い樫の木も難なく削ることができます


刃先はまだまだ大丈夫です
何という強靭さでしょうか・・




こちらは天慶小鉋


鉋台にする堅い樫の木ですが
このように滑らかな削り肌に仕上がります


切れはまだ止んでいませんが
國弘に比べると刃先の摩耗がやや見られます