2013年6月20日木曜日

19世紀ギター Laprevotteタイプの裏板


製作中の2台の19世紀ギター
右はウィーン・タイプ、弦長600mm
左の二つはラプレヴォット・タイプの響板と裏板、弦長630mm




Laprevotteタイプの裏板の膨らみを四方反り鉋で仕上げているところ


この後、スクレーパーで四方反り鉋の削り痕を消し
サンドペーパー#150で仕上げます



同様に仕上げた内側と使った四方反り鉋



膨らみ具合はLaprevotteオリジナルの1830年代頃に近いものにしました


接着の様子



参考までに、これは1820年代のオリジナル、弦長650mm








これは1830年代、弦長600mm






これは1839年作、弦長640mm







2013年6月18日火曜日

バロックギター音源


拙作のバロックギターを所持してくれている
ギタリストの西垣林太郎氏が新たな録音をYouTubeにUPしてくれました




こちらは昨日の工房の様子
工房万華鏡(YouTube)・・


2013年6月17日月曜日

花の名前をご教示頂きました


6月6日に紹介した
工房の回りで咲いている花について解説を頂きました
Eメールに御礼の返信をしましたが
配信不能で返ってきたので
この場にて御礼申し上げます
まず、毎年咲くこのアサガオですが
これはマルバアサガオという、江戸時代に渡来した
熱帯アメリカ原産の帰化植物だそうです
野生化しているものが多いということです


次にこのカタバミはムラサキカタバミという
南アメリカ原産の帰化植物(多年草)で
元々は観賞用に栽培されていたそうです


これはキランソウという人里で見られる多年草
民間薬として利用されていたようで
別名ジゴクノカマノフタと云うそうです


最後にこれはコモチマンネングサという2年草だそうです
万年草と名前が付けられていますが、花が咲いた後に枯れてしまうそうです
葉の付け根にたくさんのムカゴを付けており
それが秋から生長してすぐにマット状に再生していくので
いつ見てもその場所を占領しているように見えるため
万年草という名が付けられたのではと推測されています
一説では、三倍体なので実が付かないとも言われているそうです


2013年6月9日日曜日

江戸時代の丹波柏原の彫物師 中井権次一門


先月、ここ丹波篠山の北隣の市
兵庫県丹波市氷上町で
江戸時代に活躍していた
寺社装飾彫刻家一門、中井家についての
研究発表があったので足を運びました
中井一門は江戸時代の初めに
寺社大工として柏原かいばら藩に招かれ
四代目からは彫物を専門として
名を馳せたということです
その作品は今でも多く目にすることができ
地元の有志の方々による
調査・研究グループが組織され
今回の発表が行われました


今回、発表をされた
柏原市在住の岸名経夫氏

参考資料



以下は、研究グループにより
調査された写真と解説の抜粋











これらの写真を含め
調査活動のことが丹波新聞で紹介され
それが寺社建築の写真を
専門とされている
若林純氏の目に止まり
それを縁に氏による綿密な
撮影も行われたそうです
この成果は中井一門の彫物写真集として
今秋発刊される予定だということです
氏の写真集は私も持っていますが
これに中井家の彫刻が加わると
いうことは望外の喜びです

それから、私が興味を惹かれるのは
先般紹介した
播州(兵庫県南西部)三木の
日原大工とこの中井一門の関係で
今いろいろと調べている
ところなのですが
あまり、と言うか
ほとんど交流はなかったようです・・

これは柏原の中井家の元祖である
京都の中井正清を筆頭とする中井家に残る
膨大な古文書の中から建築指図をまとめた本に掲載されているもので
京都の知恩院の配置図です

そしてこれは今では
見にすることができない
京都二条城の天守閣の構造図です

他には、この論文集にも
三木の日原大工と中井家の
繋がりを伺えるような
記述はありませんでした


「播磨と淡路の集住大工について」
という永井規男氏の論文は
たいへん興味深いものでした
これらのことについては
追々述べていこうと思っています