2021年12月2日木曜日

井蛙抄 挿絵入和歌 覚書 五

井蛙抄 seiasho 和歌
ことしより
千とせの山は 声たえす
君か御代をそ
いのるへらなる

おさまれる
民の草葉を 見せかほに
なひく田面の
秋のはつ風

こきよせて(漕ぎ寄せて)
とまるとまりの 松風を
しる人かほに
いそく夕暮

八雲たつ
いつも(出雲)八重垣
つまこめに
やへかきつくる
その八重垣を

千早振
神なひ山の
榊sakaki葉を
さしてそいのる
萬代のため

和歌の浦に
しほ(潮)みちくれは
かた(潟)をなみ
あし(芦)辺をさして
田靏鳴わたる

するか(駿河)なる
たこ(田子ノ浦)のうら波
たたぬ日は
あれとも君を
恋ぬ日はなし

2021年12月1日水曜日

逆卍文様 土偶 そして改造フレット鋸

 
これはウクライナで
出土したもので
時代は紀元前3世紀頃と
されているものです
興味深いことに
逆卍文様があります

こちらは手許にあるもので
5世紀頃のコプト裂
これにも逆卍文様が
見られます
たいへん興味深い・・

これは現在のウクライナも
含まれるククテニ文化圏から
出土している土器

そして、これは
手許にあるレプリカですが
日本の縄文土器
上のククテニ土器に
似た雰囲気があります

これも縄文土器

これは左はエーゲ海の
右は古代ウクライナあたりの
土偶と思われるもの
これらも興味深い

こちらは工房の様子
修復中のヴィンテージ
マンドリンのフレット溝を
切っているところ


この細長い鋸は
市販の替え刃式
挽幅が1mm厚の板フレットに
ちょうど良いので
背に固定の黒檀を接着し
導突鋸に改造してみた


サクサクとよく切れるので
挽き込みに便利

フレット溝の深さ決めには
これまで使っている
畔挽鋸がやりやすい

2021年11月30日火曜日

井蛙抄 挿絵入和歌 覚書 四


井蛙抄から
岩くらの
小野の秋津に 立雲の
はれすそ鹿の
つまをこふらん

白雲の 
春はかさねて たつ田山
小倉の峰に
はな匂ふらし

駒とめて
袖打はらふ 陰もなし
さののわたりの
雪の夕くれ

波風も のとかなる世の
春にあいて
網のうら人
たたぬ日そなき

なくせみの
はにおく露に
秋かけて 木陰すすしき
夕くれの声

よしの川
岩もる水の わきかえり
色こそ見えね
下さはきつつ

おもひ出は
おなしなかめに
かへるまて
心に残れ 春の曙

2021年11月29日月曜日

虎の根付け そしてどん底と羽虫

来年の寅年に因んで
虎の根付
直径4cmほど


手前左も虎の根付


右は彫刻家
はしもとみお さんの
猫のガチャ・フィギュア

こちらは「どん底」
左は原作
ゴーリキーの戯曲
右はそれを元に1957年に
映画化された黒澤明作品


撮影の様子


俳優 左卜全 Hidari Bokuzenの
存在感は深く心に残った

日本語訳ゴーリキーの戯曲を
読んでいたら
小さな羽虫が飛んできた
体長2mmほど
それに羽が生えていて
飛ぶこともできる
自然は不思議・・

2021年11月28日日曜日

井蛙抄 挿絵入和歌覚書 参

時雨に
はいろもかわらぬ
高砂の 尾上の松に
秋風そ吹

山風の
吹ぬるからに 音羽川
せきわきぬ花も
瀧の白波

秋あさき
日かけに夏は 残れとも
くるるまかきは
萩の上風

おもふとち
そこともしらす
ゆきくれぬ
花のやとかせ
野辺の鶯

駒なめて
こせの春野を あさ行は
あおきか原に
きしす鳴也

桜花
うつろふ春を あまたへて
身さえふりぬる
あさちふの宿

高砂の
松のみとりも まかふまて
おのへの風に
花そ散ける