2024年2月21日水曜日

会津刃物 重利銘鑿を研ぎ仕事で使う


先日紹介した古い会津刃物
重利銘の十能鑿 nomi
裏出しをやっていく


動画ご覧下さい
爆音がするので音なしです


裏出し完了
これから裏研ぎ


裏研ぎを終えた状態動画


そして鎬面shinogi-menを
研いでいく
動画UPしました


片十能ノミ、研ぎ上がり
仕事で使うため、耳部分は除去しました


十能のノミ


さっそく仕事で使う




奥の十能鑿は鋼は
グラインダーにかけると
昔の青紙鋼のような火花が飛びます
手前の片十能鑿は
ほとんど火花が飛ばないので
東郷鋼かもしれません

堤章氏の著書「会津の刃物鍛冶」では
十能鑿の鋼haganeには
ヤスキ鋼の白紙1号や
東郷鋼の蓄音機ラベルが
使われていた、と説明されています


19世紀ギターのブロックの荒削り
この後、鉋で仕上げます

そして横板の組み上げ

2024年2月19日月曜日

19世紀ギター製作 メープル横板削り、曲げ

 

製作中の19世紀ギター2台分の
メープル横板を削った際

先日紹介した大巌銘寸八鉋
削り比べをやってみました
削り音の違いがお分かりでしょうか
刃幅が違いますが
それは削り音にはほとんど
影響は及びません

鉋屑の色の違いも興味深い

大巌銘寸八は削りが重く
削り肌もやや曇ります
鉋屑の色の違いと関連性が
あるのでしょうか


削り比べの後の刃先の様子

どちらも同様の状態で
やや摩耗して刃先が白くなっています

そして横板の曲げ


ついでにライニングを曲げる

ライニングの削りの様子

東郷鋼の長台寸八鉋

2024年2月17日土曜日

碓氷健吾作大巌銘寸八を研ぐ


昨日紹介した碓氷健吾作
大巌銘寸八で19世紀ギターの横板
メープル薄板を削ってみました


画像では分かりにくいですが
削り肌は曇っていて
深い逆目を完全に止めることは
できませんでした

逆目は完全に止まっていない

昨日のホンジュラス·ローズウッド削り
のままメープルを削った状態
やや刃先が摩耗しています

深い逆目を止めるため
刃口を狭くした
これは樫材の小片を
瞬間接着剤で接着しただけです

そして研ぎ

研ぎ上がりの状態


別の角度で撮影
この艶の感じは
青紙スーパー鋼でしょうか

グラインダーをかけて
火花が飛ばない鋼は
ハイス鋼、燕鋼tsubame-hagane
そして青紙スーパー鋼があり
これらの鋼は天然仕上砥で研ぎ上げると
炭素鋼や通常の青紙鋼よりも
艶が引けた状態に研ぎ上がります
その中で青紙スーパー鋼は
やや艶がありピカリと光ります

これは燕鋼ですが
あまり艶がありません
ハイス鋼はさらに曇ります

そして青紙スーパー鋼
上の大巌銘の研ぎ上がりに
似ています

2024年2月16日金曜日

会津刃物鍛冶重利鑿と大巌

 

ベトナムのDinh Duy Tonさんという方が
日本の木工道具、鉋と下駄屋鑿nomiを
提供して下さいました
ノミは会津刃物鍛冶の名工
重利銘の十能鑿と片十能鑿
そして鉋も名工碓氷健吾氏の寸八鉋で
銘は大巌
鑿はあまり使う機会はなさそうですが
取りあえず研ぎ上げ
試してみたいところです
鉋はこちらで使えるように研ぎ直し
台も再調整し、いろいろ削っていきます
その都度報告します。乞うご期待!

 
重利銘の十能鑿と片十能鑿
十能鑿は身幅37mm
片十能鑿は身幅87mmもある








碓氷健吾作と思われる
大巌銘寸八鉋

Dinh Duy Tonさんの
研ぎも見事です




裏金(押え金)の先端を
深い逆目を止めやすいように

60度ほどの角度で研いだ

こんな感じ


台を少し修正して

さっそく試し削り
これから作る筑前琵琶の撥
ホンジュラスローズウッドの
厚み減らしをやってみた


堅く粘りのある材質だが
3分ほど削っても刃先は
ビクともしていない
通常の鋼haganeの鉋ならば
刃先が白く摩耗しているところだが・・
鋼は何だろう
グラインダーにかけると
火花はほとんど飛ばない
ハイス鋼だろうか