さゞれ銘砥から新たに手に入れた
中世中山砥でハイス全鋼小刀を
仕上げてみました動画参照
最初に使っているのは
無印のセラック砥石・中砥#1000
この砥石は手持ちの人造中砥の中では
ハイス全鋼の刃物に最も良く反応します
次に使っているのは天然砥石の伊予砥
これもハイス全鋼刃物によく反応します
そして仕上研ぎの最初は
新たに手に入れた中世中山砥
やや硬めの仕上砥で
通常の刃物でしたらほぼ鏡面に仕上がります
驚くことにハイス全鋼でも
鏡面近くまで仕上がりました
ハイス鋼をここまで光らせる仕上砥は
手持ちの中では他にありません
次に、これは大変硬い中山黄板で
通常の刃物でしたらピカピカの
鏡面に仕上がるものです
良く反応し、黒い研ぎ汁が出ていますが
仕上がりは先の中世中山砥よりも曇っています
刃の先端部分に中世中山砥の研ぎ跡が
残っているので画像で確認できると思います
天然砥石というものはほんとうに不思議です・・
4 件のコメント:
田中さんの探究心にはいつも驚かされています。自分が知らない世界を見ているようで、大変興味深いです。
京都梅ヶ畑・中山産の仕上砥は昔から優れた砥石として知られているのですが、とくに中世から掘られていたとされる古い間府に従来の中山産とは明らかに違う研ぎ味と仕上がりの砥石が存在します。それを今追及しています。今回手に入れたもので、ほぼ全貌を掴むことができたように思いますが、それらは我々木工職人の仕事を大いに助けてくれます。自分が作る楽器のレベルを上げるためには、それに関わるものすべてに最高のものを求めなければ到達しないように思われるのです。その違い、刃物や砥石のレベルの違いを感知できなければ、楽器のレベルの違いも感知できないのでは・・と思うのです・・
いつもながら精緻な磨ぎに感嘆しております。
最後の写真が光ってよくわかりませんでした。
先端のみ前の研ぎを残した理由は、何か切れ味にあるのでしょうか?
いえいえ、切れ味には関係はないと思います。
動画を撮りはじめてから、伊予砥と中世中山砥の砥面に狂いがあるのを感じていました。
最後の中山黄板はひじょうに硬く、
砥面は狂っていませんので素直に研ぐと、
それ以前の砥面の研ぎ跡が残ってしまいます。
消すことも考えましたが、仕上砥二種の仕上がりの違いが分かるのではないかと思い、そのままにしました。
ご指摘のように画像の刃の元の方が光って
分かりにくくなってしまいましたが
研ぎ上がりの違いの部分を写そうと思うと
こういう角度でしかできなかったのです。
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