製作中の正倉院
所蔵琵琶の模作品
いろいろな素材で
撥を作ってみました
これはクジラのヒゲ
他には
下から二番目クジラの骨
その上はツゲ材
そしてカリン材
柱 ju or ji を付けるのは
もう少し絃が落ち着いてから
行います
描かれている鳥は
鵜のように見えます
画面奥から水辺に
飛んで来ているので
そこは餌場でも
あるのでしょう
ということは時間は朝で
画面奥の太陽は
朝日ということになります
工房近くの白鷺の群れも
朝、ねぐらから餌場に行き
夕方にねぐらに戻っています
こちらは
古来行われている
鵜飼ukaiに使われている
鵜u(海鵜)
棟方志功が描いた
見えますが
実際はこのように
頸が長くはないので
善知鳥ではなさそうです
善知鳥は
能の演目にもあり
公演ポスターには
棟方志功の版画が
使われていたりしますが
善知鳥はこのように
頸が長い鳥であるという
誤解を招くかもしれませんね
こちらは
平安時代後期に描かれた
この絵にも同様の
群れて飛んでいる
鳥が描かれています
以下、平家納経の挿絵
飛んでいる鳥は
雁(カリあるいはガン)
のようにも見えますが
雁は冬場だけ日本に
飛んでくる渡り鳥です
この絵には蓮の花が
描かれているので
時期は夏ということになり
雁ではなく他の鳥
ということになります
以下、平家納経の挿絵
こちらは
平安時代に描かれた
信貴山shigisan 縁起絵巻
以下同じ
このような鳥の描き方は
当時好まれていたのでしょうか
また
信貴山縁起絵巻の絵は
同じ時代に描かれた
雰囲気がよく似ていて
そのことにも興味が涌きます
表現にほのぼのとした
雰囲気がある
源氏物語絵巻に
描かれている琵琶
こちらも源氏物語絵巻の琵琶
これは江戸時代初めの絵師
岩佐又兵衛が描いた琵琶
琵琶を弾いている
後ろ姿は珍しい
足の状態は分かりませんが
隣で笙を吹いている女性は
右膝を立てている
右端で控えている子供も
片膝を立てていますが
これは当時の作法の
ようなものでしょうか・・
参考までに
鎌倉時代の藤原孝道が
著した木師抄の一部
琵琶の構え方を
説明した件ですが
女房(女性)は琵琶を
膝の上に置かず
左の膝を立てて
下に置くべし
としています
こちらは男の構え方
下穴を開ける
市販の舞錐は
柄がプラスチックで
触り心地が悪いので
木で作り換えたもの
旋盤加工を終えた転手
舞錐で下穴を開けたところ
そこに、このように
装飾貝を嵌め込む
穴を開けたドリル錐の先端は
グラインダーで改造したもの
左は市販のドリル錐
そして顔料で着色された
セラック樹脂を充填
ヤスリとサンドペーパーで
磨き上げた状態
装飾出来上がり
八角に削る