19世紀ギターのヘッド加工
刃先が複目の縦挽き鋸が
威力を発揮してくれました
銘は中屋定次郎でしょうか
そして鉋で厚み出し
厚みが決まり
糸巻きを収める穴を開ける
穴開け完了
ヘッドを所定の角度と長さにカット
導突鋸が活躍
そしてネックの加工
ガガリ鋸の銘は
ネックの幅を決める
仕上げ削りは大巖寸八
3日前に研いでかなり使ったが
まだまだ切れる
Vジョイント部分の加工
重利銘鑿nomiも活躍
どっしりとした重量感と安定感で
安心して削ることができる
こちらは内丸鉋を
剣先鉋に改造しているところ
これは先日紹介した端材オブジェ
狛犬のコマッタくんのところへ
置いてみた
19世紀ギターのネックを加工する際に
鉋の削り比べをやってみた
使った鉋は
先日紹介した碓氷健吾作大巌銘寸八
動画撮影後の刃先
これくらいの削りでは
刃先の変化は
ほとんどありません
大巌銘寸八
重則寸八
初代金井芳蔵寸八
その後、大巌銘寸八で
粘りのある桑材を荒削り
桑材削り後の刃先
刃先はまだまだ健全です
江戸時代初期の絵師
岩佐又兵衛(勝以katsumochi)
のことを調べてみようと思って
手に入れた古書
世界恐慌が始まって間もない
昭和6年(1931年)にこのような
論文が出版されているのに驚かされる
この論文集のなかに
「14世紀に於ける伊太利(イタリア)の
音楽”Ars nova“に就て」
というのがあったので
目を通していたら、クィンテルネ
という文字があった
はて?クィンテルネとは
17世紀に出版されたプレトリウスの
音楽大全に掲載されている
Quinternaのことだろうか・・
と気になったので
こういったことに詳しいギタリストの
教えによると、大雑把に言うと、
15世紀頃はリュート以外のネックのある
撥弦楽器をギッテルン(Gittern)と
呼んでいたのだそうです
GitternはQuinternとも呼ばれていて
ですから紹介した論文にある
14世紀イタリアの天才的オルガン奏者の
ランディーノが他に演奏していた
クィンテルネは
このような楽器であった可能性大です
Gitternギッテルンと
Lautenラウテン(リュート)の特徴として
リュートは背面部が細長い薄板(リブ)を
貼り合わせて作られているのに対して
ギッテルンの背面部は一本の木材から
彫り出して作られています
この動画の楽器は
現在再現されたものなので
背面部は一木造りではなく
リュートのようにリブを
貼り合わせて作られています
ランディーノが演奏していた
17世紀に出版された
プレトリウスの楽器大全で
紹介されているQunterna
拙作のクィンテルナ