1月29日に紹介した
長崎の出島から江戸城に
拝謁に来たオランダ商人のことも記されています
そのことについてもう
少し知りたいと思い
新異国叢書を取り寄せ
今それにザッと目を
通しているのですが
第六巻の「セーリス日本渡航記」にイギリスの東インド会社から
派遣された貿易船隊の
司令官であるジョン・セーリスが
1613年に徳川家康に出した
請願書の写真が
掲載されているのです
これがそうですが
本書の説明では
通詞(つうじ・通訳)によって
書かれたものを
柔らかい鷲ペンで影写したものであろうとされています
以下、現代字に翻訳されたもの
覚
一
日本へ今度初而渡海仕候、万商売方之儀御じゆんろに被仰付可被下候事
一
両御所様へ御用之御物の儀は、御目録を以被召上可被下候事
一
於日本いきりすふねの荷物、おしかいらうせき不致様に被成可被下候事
一
いきりすふね大風にあい、日本の内何れのみなとへ着申候共無相違様に被仰付可被下候、何方ニ而も望のみなとニ家をたて売買可仕候間、御屋敷可被下候事
一
日本ニ而かい申度物御座候は、其商人相対次第かい取り申候様に被仰付可被下候事
一
日本人といきりすの者けんくわ仕出候は、理非を御せんさく被成理非次第、有体に被仰付可被下候事
一
いきりすへ帰国仕度候は、何時ニ而も帰国仕候様に被成可被下候事但帰国仕候時は、立申候家をはうり候て帰申候様に、被成可被下候事
かぴたん
しゆわん
さいりす
せに良んゆ
一応、読み下しておきます。
確信がもてない箇所は?としておきます。
間違いなどありましたらご指摘願います。
一
日本へこの度初めて渡海仕(つかまつ)り候(そうろう)、万(よろず)商売方の儀(こと)御順路(?)に仰せ付けられ下さるべく候こと。
一
両御所様へ御用の御物の儀は、御目録をもって召し上げられ下さるべく候こと。
一
日本に於いてイギリス船の荷物、押し買い狼藉(?)致さずようになされ下さるべく候こと。
一
イギリス船 大風に遭い、日本の内 何れ(いずれ)の港へ着き申し候とも、相違なきように仰せ付けられ下さるべく候、何方(いずかた)にても望みの港に家を建て、売り買い仕りべく候間、御屋敷下さるべく候こと。
一
日本にて買い申したき物御座候は、その商人相対し次第、買い取り申し候ように仰せ付け下さるべく候こと。
一
日本人とイギリスの者、喧嘩仕り候は(そうらわば)、理非を御詮索なられ、理非次第、有体(ありてい)に仰せ付けられ下さるべく候こと。
一
イギリスへ帰国仕りたく候は、何時にても帰国仕り候ようになられ下さるべく候こと、但し帰国仕り候ときは、立(建て)申し候家を放り候て帰り申し候ようになられ下さるべく候こと。