霧島という銘の一枚刃寸三鉋(身幅55mm)を手に入れました
島という字が消えかかっていますが
霧島という銘は間違いないでしょう
その上に右から保険という刻印があり
上段中央に丸十字の紋が入れられています
丸十字は薩摩藩の家紋でもあるのですが
鹿児島県で打たれた鉋身でしょうか・・
裏の透きが不均一ですが
島の字の下半分が消えているので
後に透き変えられたのかもしれません
鋼は炭素鋼で、研ぎやすく
絶妙の焼きが入っている感じです
仕事で様々な硬さの木を削ってみましたが
甘い焼きの鋼なのに驚くほど永切れします
このように刃先が摩耗しても
切れは止んでいません
正清銘の鉋と並べてみると
頭の形状が違うくらいで
身の厚み、鋼の質などよく似ています
霧島といえば鹿児島県ですが
正清という銘は日本刀にもあり
という有名刀工が思い浮かびます
この鉋とは関係はないと思いますが
この鉋身を鍛えた鍛冶職人が
薩摩に縁がある人だったとすれば
主水正正清のことに思いをよせて
銘を付けたということは想像できます