2013年1月22日火曜日

昭和4年発行の「刃物の研ぎ方」



昭和4年(1929年)に
広島市で発行された
「刃物の研ぎ方」という本を抜粋して紹介しておきます


広島師範学校
手工教室と研場


パソコンの場合
右クリック・別ウィンドウで開くと大きな画像を
見ることができます

































2013年1月21日月曜日

炭素鋼寸四鉋 3台削り比べ


今日は製作中の19世紀ギターLacoteタイプの
響板と裏板の補強材を選び出したので
荒削りの際に鉋の削り比べを行ってみました
動画参照ください




動画で最初に使っているのは右端の重道銘・寸四
これは一枚刃ですが鋼が玉鋼の影響か
削りの抵抗が大きく3台の中では最も重い切れでした

次に使ったのは中央の舟弘・天酔銘・寸四
これは鋼は安来(やすぎ)鋼・白紙1号が使われているということです
これは切れ味軽く、3台の中では最も軽い切れでした

3番目に使っているのは「も作」銘・寸四
これも鋼は白紙1号と思われます
研ぎ感は上の天酔によく似ていて
強靭な手応えがあります
やや「も作」の方が強い感じを受けますが
そのことを反映してか
上の3台の中では最も永切れします




重道での荒削りの様子


削り肌は3台とも同様で
違いはほとんどありませんでした




天酔銘の寸四






そして「も作」での荒削り






最初の画像でお分りのように
今回平均的な長さ25cmほどのスプルース材を
18本荒削りし、2mm~5mm削り減らしました

3台をほぼ同程度使うように心がけましたが
これくらいでは、どれもまだまだ切れは止んでいません




重道寸四・一枚刃、刃角度は約27度
やや刃先が白く摩耗しています



天酔寸四・二枚刃、刃角度は約28度
これも上の重道と同様に刃先が摩耗しています



も作寸四・二枚刃、刃角度約28度
これは刃先はまだまだ健全です





補強材を膠(にかわ)接着



2013年1月20日日曜日

Lacoeタイプ 響板と裏板を仕上げる


製作中の19世紀ギター Lacoteタイプの響板と裏板を仕上げました

これは響板の表面の仕上げ削り
使っている鉋は藤井刀匠作の玉鋼寸八


接ぎ目が逆目になっているので
鉋の押え金はギリギリまで詰めています
そのことを反映した鉋屑です


逆目は完全に止まっています




その後裏側を削り、音作りのための厚み出しをしました
参考までに、響板の厚みは、厚いところで約3,2mm
薄いところは2,5mmほど
動画参照下さい


使っている鉋は古い中惣銘・寸六
台を短くしています




そして裏板の仕上げです
使っている鉋は先般手に入れた(動画参照下さい)
会津鉋 重時銘・寸六




ブビンガ材独特の深い逆目も充分に止まっています
裏板の厚みは厚い所で約3,3mm
薄いところは2,5mmほど(ブビンガ部分約1,5mm)

試しにハイス鋼や燕鋼の鉋で削ってみましたが
ブビンガ材は粘りがあるのでこれらの鉋では
切れが重く、ちょっと使う気になれません
上で使った重時は東郷ハガネと思われますが
ハイス鋼や燕鋼よりも切れが軽く
燕鋼よりも永切れします

他に試した鉋では「も作」銘の寸六が最も軽い切れでした
これは安来鋼・白紙1号と思われます
切れの持ちも充分だと感じました




響板と裏板が仕上がりました



補強材を準備
この後、補強材の厚みを仕上げます


2013年1月18日金曜日

工房の様子

昨日の主な作業


19世紀ギター ラコート・タイプ2台の響板に
装飾を施しました


サウンド・ホールの縁に黒檀を接着して出来上がり
この後厚み仕上げを行います



2013年1月15日火曜日

古い会津鉋二丁を仕事で使ってみました


古い会津鉋 重房と重時の寸六鉋
仕事で使ってみました
まず、製材したヨーロッパ・スプルースの平面出しをし
動画参照下さい)

次に製作中の19世紀ギター、ラコート・タイプの
響板の表面を仕上げました

これは重房銘・寸六


削り肌に問題はありません


動画撮影後の刃先の状態
これくらいではまだまだ大丈夫です



こちらは重時銘・寸六




こちらも問題なし



仕上げ削りに使った藤井刀匠作、玉鋼・寸八


ギター用の薄い板を削るので
寸八の仕上用でも、このように刃先の両端は
多めに丸めています






上の動画を撮影した後
ラコート・タイプの響板を削りました
動画参照下さい







仕上がった状態
接ぎ目の逆目もきれいに止まっています

以上を、この重房鉋身をお世話になった
外栄金物さんへ報告しました(参照