2013年4月14日日曜日
2013年4月12日金曜日
鉋の裏金について
鉋の裏金(押さえ金)について
問い合わせがありましたので
ブログで説明しておこうと思います
そういうこともあり
2月に手に入れていた
2枚の「長光」銘寸八鉋身の
もう1枚を台に挿(す)げ
昨日切り抜いたミニハープ用の
響板を削ってみました
この材はフランスの
Epiceaエピセア(唐桧)
ということで手に入れたものですが
Cypresシープレス(糸杉)によく似た匂いと材質のものです
YouTubeに動画をUPしましたので参照ください
押え金をよく利かせたので
深い逆目も止まっています
この深い逆目を完全に止めるのは
一枚刃鉋では無理です・・
左は2月に紹介した
一枚刃で仕立てましたが
その後2枚刃にしました
右は今日台に挿げ
動画撮影したものです
今日仕立てたものは(画像左)
「三代目・千代鶴式押え金」を
使いました
右は薄めの裏金ですが
千代鶴式よりはやや厚めです
これは厚めの裏金
参考までに、これは
三代目・千代鶴(落合宇一作)の
「三水」銘の寸八です
裏金の押え棒は両端に
差し込んであるだけです
台は作り換えましたが
押え棒はそのまま使いました
押え棒はそのまま使いました
三代目・千代鶴の
取り扱い説明書には
身や裏金の差し込みは
できるだけ緩くするように
説明されています
ですから裏金も極力薄くされ
長さも短めです
裏金で刃先を強く押えすぎると
悪影響が及ぶのは想像できます
ですから私も身と裏金の差し込みは
できるだけ緩くしています
(鉋かけの動画を参照ください)
因みに、これは身を挟んでいる
背の馴染(なじみ)の
当たり具合です
一般的に「表馴染」と
呼ばれています
黒くなっている所が鉋身の背が
強く当たっているところです
鉋身の背が強く当たっている
ところが削り面に近いと
刃口部分が膨らみすぎ
削り面の調整がしづらくなり
押え溝の上部に当たり過ぎると
その部分から割れることがあるので
その部分を避けて
身が収まるように調整します
最後の微調整は上の画像に写っている荒目のヤスリを使っています
身を収めたところ
さらに詳しく説明した
押金考も参照下さい
2013年4月11日木曜日
勘兵衛寸二鉋、貞時寸四、重則寸八鉋を使ってセドロ材を削る
きょう作った端材のオブジェ
これが出来上がるまでの過程を振り返ってみると・・
オブジェの素材は
9日にYouTubeにUPした削り比べの動画で削った
セドロ材(スパニッシュ・セダー)
使った鉋は右から明治頃の古い寸二鉋(身幅51mm)「勘兵衛」銘
中央は現代の名工・椛沢貞雄(かばさわさだお)氏作の
「貞時」銘寸四(身幅55mm)
左は仕上げに使った明治頃の古い寸四長台鉋
銘は判読できません
動画では「毛引き」の筋まで削りました
オブジェはこのセドロ材の塊りから切り出した
構造材の端材から作ったものです
これらを削った刃先
右が勘兵衛寸二で左が貞時寸四
刃角度はどちらも約27度
この角度では刃先の状態はよく分かりませんが
もう少し刃を傾けると
刃先の状態が確認できます
こちらは勘兵衛
そして貞時
どちらも同様にかなり摩耗しています
セドロ材にはミネラル分が含まれているのか
鉋の刃先がすぐに摩耗してしまいます
長光寸四と粉末ハイス鉋寸四でローズウッドを削る
9日にUPしたYouTube動画の画像を紹介しておきます
動画で最初に使っているのは長光銘寸四(身幅60mm)
鋼は炭素鋼
切れは軽く、強靭で永切れします
ローズウッド特有の交互に出ている
深い逆目もほとんど止まっています
刃先がやや摩耗していますがまだまだ切れは止んでいません
刃先から1,5mmほどを角度約28度に研いでいます
こちらは粉末ハイス鋼寸四(身幅60mm)
こちらもきれいに逆目が止まっています
さすが粉末ハイス鋼
これくらいの削りでは何ともありません
こちらは刃先から1mmほどを刃角度約29度で研いでいます
「貞時」 「秀弘」寸三鉋でローズウッドを削る
YouTubeにUPした動画(参照)の画像を紹介しておきます
今回は古い「秀弘」銘寸三鉋と
現代の名工、「貞時」銘の寸三鉋の削り比べです
動画で最初に使った「秀弘」銘寸三(身幅57mm)
鋼は炭素鋼
ローズウッドの深い逆目もほぼ止まっています
動画撮影後の刃先の状態
まだまだ大丈夫です
こちらは「貞時」銘寸三(身幅55mm)
鋼は高炭素鋼
こちらも逆目は止まっています
ことらも刃先はまだまだ大丈夫です
通常はローズウッドを削る際には
燕鋼や安来鋼・青紙スーパー鋼、ハイス鋼の鉋を使いますが
今回、試し削りということでローズウッドを削ってみました
この後どちらの鉋も仕事で使っていますが
秀弘鉋の方が永切れする感があります
ツゲ材の削り比べはこちら
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