2013年6月27日木曜日

手に入れた二冊の古書


明治36年(1903年)発行の「波紋集」
たいへん参考になります
もっと早く手に入れたかった・・










こちらは大正15年(昭和元年・1926年)発行の
日本刀に関する本
これは日本刀研磨と鑑定を専門とする
本阿弥光賀氏(水戸本阿弥家)が
日露戦争(明治37年~38年)時に東京日々新聞の記者として
従軍した折に、日本刀について講演したことを
陸軍砲兵曹長の渡邊仁氏が筆録
刀剣会幹事の村上勝也氏が補訂したもの





その中で、砥石に関する記述で
興味深いところがありました
この頁で述べられている「折杭」という荒砥
そして「白馬」、「縞柳」といった砥石名は今では聞かれません
果たしてどのようなものだったのでしょうか・・ 


今日の工房の様子


製作中の2台の19世紀ギター
ラプレヴォット・タイプ(弦長630mm)とウィーン・タイプ(弦長600mm)










曲線挽きは卓上バンド・ソーを使います

2013年6月25日火曜日

兵庫県三田市藍本にある高川古墳群


ようやく工房前のアジサイが咲きました

 もう随分前になりますがHPの方で
ここ丹波篠山の南に隣接する
兵庫県三田さんだ市藍本にある高川古墳群から
出土した大刀たちの鍔を紹介したことがあります
銀象嵌ぞうがんで隼人はやと紋が描かれているのですね・・
その発掘調査報告書をようやく手に入れることができたので
原色の画像をHPでも紹介しました
この鍔つばは2号墳から出土しています

 以下は2号墳のその他の出土品


これは耳環と思われますが
金メッキと銀メッキが施されているのでしょうか・・
報告書では鍍金(金メッキ)については説明されていましたが
銀色のものについては
「肉眼で見たところほとんど銀色」と記載されているだけで
銀メッキについては言及されていませんでした

青色と黄色の小玉はガラスで、白い切子玉は水晶
右下の管玉3点は碧玉(参照

奈良時代から平安時代にかけての須恵器

こちらは1号墳から出土した土器
古墳時代から江戸時代のものが出土しているとうことで
この古墳は交通の要所にあったため
古墳時代以降も墓として使われたのだろうと推察されています


2013年6月23日日曜日

清魂銘二寸鉋


古い二寸鉋を入手
人魂の中に「清」・・
それを中央に置き、回りは小さめの左清を
無数に刻印した何とも不思議な銘の鉋・・
左にKIYOTAMAと刻印されているので
清魂とでも読むのでしょうか・・
清人という名の者にとっては気になる銘・・


裏を研ぎ上げ




刃角度約28度に修正、刃先から2mmほどを研ぎました
はがねは安来やすぎ鋼・青紙と思われます


台もまだ使えるので調整し


19世紀ギターの補強材に使うスプルースを削ってみました





充分仕事で使えるレベルです




2013年6月21日金曜日

古い会津鉋 重丸銘寸四


古い会津鉋、重丸銘の寸四鉋身(身幅61mm)を手に入れました
会津の刃物鍛冶を紹介した本でも紹介されていない銘です
全体に良い状態ではありませんが

なんとか裏を出すことができました

刃角度は約28度に修正
仕上げ研ぎは福井県産仕上砥を使いました
鋼は炭素鋼系、おそらく和鉄だと思われますが
焼き入れは甘めでギリギリ焼きが入っているという感じです

研ぎ上がりの刃先もそんな感じを受けます

市販のパーロッサ材の掘り台に収めました

ギターのブロック材削り専用にしたかったので
台を短くカットしました
今は一枚刃ですが、この後二枚刃にする予定です


製作中のLaprevotteタイプのネック材にする
マホガニーを荒削りしてみました(動画UPしました)

軽い切れで、削り肌に問題はありません
刃先が白くなるのが早い感がありますが
切れ味に変化はありません

その後、堅く粘りの強いツゲ材を削ってみましたが
刃先がやられることもありませんでした

優れた玉鋼や和鋼独特の永切れの様子です
手持ちの会津鉋の炭素鋼の中では最も優れている感があります