京都丹波亀岡産と思われる
大きな青砥を手に入れました
「各国大博覧会賞牌受領」という字が
右から置かれているので
時代は大正から昭和初期と思われます
ラベルに書かれてある「大礼記念京都大博覧会」は
昭和3年に行われているようなので(参照)
このラベルはそれ以降のものということになります
研ぎ面(柾目面)に茶色いゴマ粒状の斑点が確認できます
やや赤みがかっていますが
それほど柔らかくはなく、カッチリと砥ぐことができます
鉋研ぎにはちょうど良い感じです
YouTube動画参照下さい
丹波産青砥によく見られる針気(地鉄に付く太目の研ぎ傷)が
ほとんど見られず、緻密で粒度がよく揃っています
地・刃の境がクッキリとし、内曇で研いだように研ぎ上がっています
こういった感じは神前産には見られないと思うので
産地はもう少し南西の、青野から宮川あたりでしょうか・・
粒度は約#1200
このような青砥には30年ぶりに出合いました・・
30年以上前、20代の頃は研ぎの師匠から分けてもらった青砥を
主に使っていて、5本ほど使い減らした頃、分けてもらいに行ったら
もう優れた丹波青砥は手に入らないと言われました
そのことの意味は後々理解することになるのですが
その、若い頃使っていた優れた丹波青砥と
この青砥は顔も研ぎ感も、研ぎ上がりもよく似ているのです
思わず、ご老体でも目がキラキラとした師匠の顔が浮かびました・・
動画では青砥の次にやや硬めの中山産・戸前を使いましたが
やはり青砥の傷をいきなり消すのは無理があったので
この太平山天井巣板(内曇うちぐもり)に取り換えました
内曇砥独特の研ぎ上がりで
地・刃ともに美しく微塵に曇ります
最終仕上げに使った
京都梅ヶ畑・中山産の戸前
やや硬めの仕上砥で
中研ぎを細かめに研ぎ上げておくと(#2000以上)
これだけで研ぎ上げることができますが
#1200ほどだと時間がかかってしまいます
研いだ鉋身は以前紹介した義廣銘寸四