昨日紹介した中野武夫氏作(武則二代目)
東郷鋼寸三鉋(身幅55mm)
届いた状態は台も刃もほとんどすぐ使える状態まで
高い精度で仕上げられていました
自分の道具として仕立て直した状態
研ぎ動画をYouTubeにUPしております
届いた状態がよかったので
裏はほんの少し研ぎ直しただけで済みました
動画で最初に使った中砥
沼田虎砥として売られていたものですが
一見、備水赤虎砥に見えます
縞の状態、色あい、研ぎ感などよく観察すると
備水赤虎とは違うので、一応 沼田虎砥としておきますが
他に同様のものを見たことがないので確信は持てません
参考までに、これは一般的な沼田虎砥
縞が部分的に入っているものです
他に紹介したものはこちらを参照下さい
これは本沼田砥(色物)
一般的な沼田砥の上の層だということで
早い時期に掘り尽くされたようです
この下の層が瓢箪沼田となり
その下の層が白い沼田砥となるそうです
このように沼田砥はどの層でも石質は緻密で
今回紹介したもののように気泡のようなものは見られません
販売されていたところでは
一般的な沼田砥とは違った場所で採掘されたもの
と説明されていました・・
さて閑話休題、最初の沼田虎砥に戻ります
硬口ですがよく反応し強い研磨力があります
粒度は#400程度
柔らかい地鉄じがねには粗く深い傷が付きますが
鋼には及ばず後の研ぎは楽に行えます
次に使ったのは福井県産浄教寺砥
よく反応し強い研磨力があります
粒度は#600程度で、砥目がよく揃っています
古来から刀剣研磨に使われてきたのがよく理解できます
中研ぎの最終段階として使った
先日紹介した
関東産と思われる青砥(参照下さい)
文句なしの研ぎ上がりです
仕上砥ぎの中継ぎは
山口県産 杭名砥 黒蓮華巣板
たいへん研ぎ易く、心地よく研ぐことができます
地鉄にやや粗い傷が付きますが
鋼はピカリと光るほどに研ぎ上がります
この状態でも充分仕事で使えます
中継ぎとして文句なしです
最終仕上げは京都梅ヶ畑・木津山産の戸前を使いました
硬口ですが、木津山産独特の滑らかな研ぎ感で
硬い割にはよく反応します
地鉄の傷もほぼ消すことができます
これも文句なしの最終仕上砥です
刃先の拡大画像