2016年7月7日木曜日

ストラディバリのヴァイオリンと自然の美

2011年、東北震災の際に
支援資金を得るため
日本音楽財団がコレクションの
ストラディバリ作
ヴァイオリンを売りに出したときのオークションの様子が
YouTubeにUPされています

これは、その動画の一部を
画像として
ピックアップしたものですが


そのヘッドのスクロールを
見ていて


手許にあるアンモナイト化石の
渦巻きに似ているな・・と、
ふと思ったのです

そういうことなので
アンモナイトの画像を
ストラディバリのヴァイオリンの渦巻きに重ねてみました

アンモナイトの画像を少し透明にしてみました
ほぼ重なっていますね・・
ストラディバリの楽器には黄金比が取り入れられている
という説もありますが
こうしてみると、ヘッドのスクロールにも
フィボナッチの数列など
自然の法則が
取り入れられているようにも
見えます
ストラディバリも
貝殻やアンモナイトの化石を
コレクションしていたのでしょうか・・笑

因みに、これは他の
アンモナイトの化石

こうして見ると
ヴァイオリンのヘッド
渦巻きと同様のものは
種類が少ない
ということが分かります



こちらは工房の様子
特注ラコート・タイプ
(弦長630mm)は
もうじきニス塗りを終えます


2016年7月3日日曜日

二種類の備水砥と馬路山産合砥を使って幅広鑿を研ぐ

昨日YouTubeにUPした砥ぎ動画
画像を紹介しておきます

最初に使ったのは柔らかめの備水砥(熊本県産)
Soft Binsui




粒度は約800 Grit 800


次に硬め備水砥
Hard Binsui


粒度は約1200 Grit 1200


次からは仕上砥ぎですが
中継ぎとして使ったのは
柔らかめの産地不明の合砥
(おそらく京都・愛宕山産と思われます)
Unknown Awase-to Soft fine finishing stone 


これで充分仕事で使えますが


硬口の京都・馬路山産合砥で
最終仕上げを行いました
Hard finishing stone 馬路山Umajiyama



馬路山産の仕上砥は
硬口でも同じ山の大平産と比べると
地鉄が緻密に曇り、優れた内曇砥のように研ぎ上がります


2016年7月2日土曜日

工房の様子 製作中の特注19世紀ギター Lacoteタイプ

製作中の特注ラコート・タイプは
ただいまニス塗り中



以下、フレット溝切りとフレットの打ち込みの様子







フレット打ち込み完了

2016年7月1日金曜日

木瓜の実にアマガエル そしてサルノコシカケ


工房裏に置いている鉢植えの木瓜の木に
今年はたくさん実が付いています
そして先日紹介した、小さなアマガエルが
この鉢の周りにも、あちこちでピョンピョンしています

そのアマガエルが・・


これは、ただの丸い石・・


そしてこちらは、先般手に入れた
サルノコシカケ

このように木ネジで固定してみました・・

なかなか良い・・


2016年6月29日水曜日

古いMandolinの修復 接着を剝す


昨日YouTubeにUPした動画
説明として以下を紹介しておきます

これは修復中の古いマンドリンですが

内部の補強材がほとんど剥がれているので

これらを一旦取り外し
これから接着しなおすところです

これはYouTubeにUPした動画を
撮影し始めた状態ですが
接着剤を軟化させるため
補強材の接着部にキッチンペーパーを置き
それに水を含ませ
途中2時間ほどおきに水を補給し
6時間ほど経った状態です

これは動画撮影後の状態
白く見えるのは、これまで為されてきた修理・修復で
使われた水性ボンドと思われる接着剤です
画像向って左端の補強材はニカワで接着されているので
難なく剝すことができました

中央のものも水性ボンどが軟化していたので
簡単に剥がせましたが
右端のものには白い水性ボンドの他
エポキシ系の接着剤のようなものが使われていて
水では軟化しておらず
剝すのに苦労しました

動画撮影後
以前の修理で接着されていた
他の部材も剥がしました

ついでに歪んだ響板を
電熱アイロンで矯正

以上、水でニカワを軟化させて
接着部を剝す方法を紹介しましたが

次に電熱アイロンでニカワを軟化させて
接着部を剝す方法を紹介しておきます
以下・・

高温に設定した電熱アイロンを当てているところ

ニカワが軟化したのを見計らって
ヘラを差し込んだところ
これをグルリと周囲に施し

響板を剝した状態

この楽器は電熱アイロンで剝すことができましたが
響板の周囲に複雑な装飾が入っている場合は
横から鋸でカットする場合もあります

次にブリッジを剝す


完了