2021年11月28日日曜日

井蛙抄 挿絵入和歌覚書 参

時雨に
はいろもかわらぬ
高砂の 尾上の松に
秋風そ吹

山風の
吹ぬるからに 音羽川
せきわきぬ花も
瀧の白波

秋あさき
日かけに夏は 残れとも
くるるまかきは
萩の上風

おもふとち
そこともしらす
ゆきくれぬ
花のやとかせ
野辺の鶯

駒なめて
こせの春野を あさ行は
あおきか原に
きしす鳴也

桜花
うつろふ春を あまたへて
身さえふりぬる
あさちふの宿

高砂の
松のみとりも まかふまて
おのへの風に
花そ散ける

2021年11月24日水曜日

井蛙抄 挿絵入和歌 覚書 弍

井蛙抄seiashoから
挿絵入り和歌
おしなへて
花の盛に 成にけり
山の端かとに
かかるしら雲

よしの山
やかて出しと 思ふ身を
花ちりなはと
人や侍らん

雲はらふ
夕風わたる ささの葉の
音やさやかに
いつる月影

ともしして
今宵もあけぬ 玉くしけ
二村山の 峰の横雲

春たつと
いふ計にや みよし野の
山も霞て 今朝は見ゆらん

ほのほのと
あかしの浦の 朝きりに
島かくれ行
舟をしそ思ふ

人ならぬ
岩木もさらに
かなしきは
みつの小島の
秋の夕暮

2021年11月23日火曜日

井蛙抄 挿絵入和歌 覚書 壱


井蛙抄から
立かへり
又もきてみん
松しまや
をしまのとまや
波にあらすな

又やみん
かたの(交野)のみのの
桜かり
はなの雪散
春のあけほの

なをさゆる
けしきにしるし 山桜
また冬こもる
梢なるらん

思いきや
しちのはしかき
書つめて
もも夜も同し
まろねせんとは

むかしより
めくみひろ田の
神ならは
さりとも秋の
心しるらん

したふへき
冬には雪の おくれいて
春ともいはす
さえわたるらむ

かけしあれは
おられぬ波も おれけり
みきはの藤の
春のかさしに

2021年11月22日月曜日

マンドリン修復 そして琵琶の撥を補修

 

修復中のヴィンテージ
マンドリン
響板の補修を終えました

こちらは補修の依頼を受けた
薩摩琵琶の撥bachi
先端の絃が当たるところが
かなり摩耗しています

先端部を平らに削り


ツゲ材を接着

接着後、余分を削り取り



平らにし

色付けをして完成


これでまた永く使えます

検査官はこちら・・