2021年12月21日火曜日

楽琵琶製作 槽と鹿頸を繋ぐ


楽琵琶製作
槽 (甲)と鹿頸shishikubiを
繋ぐための加工




こちらは腹板の加工
陰月と半月を開ける

電動ドリルで3mmの
穴を開け

廻し挽き鋸で切り抜く


そして繰小刀で仕上げ




2021年12月19日日曜日

楽琵琶製作 紫檀甲板出来上がり

 

製作中の楽琵琶
紫檀の甲(槽)の厚み仕上
ほぼ出来上がりました


遠山は鹿頸shishikubiと接合後
彫り出します





夜はここ・・

使った道具の研ぎ
外丸鑿nomi・chisel と
外丸彫刻刀



2021年12月18日土曜日

初雪 俳句 そして琵琶奏法


今朝の丹波篠山、初雪
そこで俳句を一句
初雪や かわず飛び込む
枝の音

さて、こちらは
先日紹介した楽家録から
琵琶の譜丁と
その奏法について
説明されている箇所
「掻撥カクハチ」
「放撥ハナシバチ」
「一撥ヒトツバチ」
「返撥カエシバチ」

「懸弾カケヒキ」
「掻洗カキスカス」
「叩タタク」

説明だけでは
判然としない
ところもありますが
取り敢えず紹介しておきます

これも先日紹介した
中国唐代に書かれた
叙事詩「琵琶行」の一節
琵琶の音色が表現された件
「ソウソウ然として
京都keitoの声有り」

「大絃はソウソウとして
急雨の如く」
「小絃はセツセツとして
私語の如し」
「大珠 小珠玉盤に落つ」

原文



「四絃一声
帛(絹)を裂くが如し」

原文

上の琵琶行の表現を
鎌倉時代初めに書かれた
文机談bunkidanで
引用された箇所
琵琶の名手源資通
についての説明で
「ばちおと(撥音)美麗なり。
四絃帛をさきて大珠
玉盤にあそぶがごとし」
と記されています

中国随代の塑像

2021年12月16日木曜日

楽琵琶について調べる

 

楽琵琶を製作するにあたり
琵琶のことを色々と調べていて
興味深いことを知った
鎌倉時代初めに書かれた
文机談bunkidanには
琵琶を弾くのをやめるのに
爪を切ったとあり
注解で楽家録gakukaroku巻九を挙げ
琵琶を弾く者は親指と中指の爪を伸ばし
これを切るのは琵琶断念の証拠と説明されている

楽家録を確認してみると
親指と中指の爪を長くするのは
調弦をするためではなく
流泉や啄木などの曲を
爪で弾くことがあるためである
と書かれてあった

また、楽家録巻九の前書では
「もともと琵琶を弾くには
皆木撥を用いていたが
唐の貞観時代(627~649年)の
中頃から
手で弾くことが始められた」
と説明されています
画像文中の「搊琵琶」という字は「琵琶をトク」としていますが
コトバンク」サイトの
箏の項では
「唐代(618‐907)に至り、清楽は12弦箏を用いたが、他は13弦箏を普通とした。奏法には指で奏する搊(しゅう)、骨製の爪(義甲)で奏する弾、弦を擦って鳴らす軋(あつ)があったというが、搊と弾の意味はかならずしも明確ではない。」
と説明されています

唐時代に書かれた
琵琶行という叙事詩の
挿絵(後の時代に描かれたもの)これは撥で弾かれているが
撥の形状は正倉院に
所蔵されているものと同様

楽琵琶奏者の中村かほるさんが
爪弾き演奏の動画を
YouTubeにUPされています

こちらは製作の様子
甲(槽)板の膨らみ削り



2021年12月15日水曜日

楽琵琶製作 腹板作り

 

製作に取りかかった楽琵琶
腹板の膨らみ削り
外丸鑿(ノミ chisel) で荒彫り



四方反り鉋かけ



鉋がけを終えた状態


そして内側削り
厚みを仕上げていく