これらから推察すると
楽器の音の良い条件だと思われるのですが、
はっきりとした意味が判ればありがたいところです。
言語学者の菅野裕臣(かんの ひろおみ)氏によると、
日本語、朝鮮語などのアルタイ語に属する言語では、
語頭に「r」が立つ言葉は本来なかったということです。
つまり、「ら・り・る・れ・ろ」ではじまる言葉は
もともと日本語にはないということで、
あるとすればそれは漢字語やその他外来語が
入ってきてからのものだそうです。
そうすると、順徳院琵琶合に頻繁に出てくる
「りやらめく」という琵琶の音の形容語は
来語ということになります。
それは、おそらく琵琶がペルシャから中国
あるいはインド経由で日本に入ってきた際に
楽器の音の良し悪しを表現する形容の言葉も
いっしょに伝わってきたものと思われます。
あるいはまた、楽器製作者が日本に渡って来た
ということもあり得るのでないでしょうか。
そうした時に「りやらめく」、あるいは「りゃらめく」という
音の表現も伝わってきたということも考えられます。
そういうことなので、ペルシャ語に詳しい人に訊いてみましたが、
「りやらめく」に該当するような言葉はないということでした。