2022年6月19日日曜日

当麻曼荼羅縁起絵巻と木葉型鋸


鎌倉時代に描かれたとされる
当麻曼荼羅縁起絵巻
taima-mandara-emaki 
から雲中供養菩薩

こちらは
観音堂建立の場面

番匠の仕事ぶりは
興味深い


光りを放つ仏像の形をした
自然石を彫刻して
仏像にしている場面

木葉型鋸を使っているところ

大きな角材を
挽き切っている様子ですが
この職人は左利きなのか
左手で鋸の柄を握り
その上に右手を添えている
もしかして、押し挽きなのか
鋸の歯も向こう側に
歯が切られている
ようにも見える
通常、日本の鋸は引いて使う

最後に、これが
仏像の形をした光る自然石

有元利夫が描いた
「出現」という絵を
連想してしまった

2022年6月17日金曜日

出雲と亀、蛇、鶴 そして台鉋

これは出雲大社の
宝物殿に所蔵されている
平安時代末に描かれた
神社近辺の絵図です
大社の上部(北側)の山の名に
ちょっと興味を覚えます
右から、亀山、蛇山、靏山
となっていますが
これは出雲の地の歴史を
示している
と解釈することもできます
述べたことでもありますが
出雲大社の社紋は
亀甲紋ですから
トーテムは亀です
古代、出雲は国譲りを
させられていますが
国譲りをした相手が
靏(白鳥と同義)を
トーテムとした民族だと
したら、日本武尊
ヤマトタケルノミコト
の東征譚が
浮かび上がってきます
そして蛇をトーテムとする
民族としては
大和の三輪山伝説
の主人公である大物主
ということになります
大物主は出雲の主
大国主命と同義と
されているのは秘められた
過去が想像できます

さて、こちらは
東洋書林から出版されている
「世界の木工文化図鑑」
日本では台鉋が使われるようになったのは室町時代から
とされていますが
著者のBryan Sentenceは
鉋は古代ギリシャで発明され
ローマ時代に現代のものと
よく似た形に改良されたと
考えられているとしています
そうすると、それはかなり
早い段階で日本にも
もたらされたことは
充分にあり得るのでは
ないでしょうか
正倉院の木工品などには
台鉋が使われたと思われるものが多く見受けられます




2022年6月15日水曜日

水晶球を転がす、回す。


三代目乾山の陶器の上で
水晶球を転がす

こちらは壺の上で回す


ドーナツ状の一輪挿し

縄文土器ヴィーナスを覗く

一輪挿しを壺に飾る


2022年6月12日日曜日

白洲正子と十一面観音


文筆家の故・白洲正子氏が
所蔵されていた平安時代の
十一面観音像
京都の骨董店で目にし
新幹線で帰る途中どうしても
欲しくなり、買ったばかりの
ルオーの絵を手放して
購入した、ということが
随筆で述べられている
自宅に置いて毎日眺めているうちに
この仏像は熊野の九十九王子の
どこかに祀ってあったものに違いない
と結論付けるところは白洲正子らしい
仏像の背後に光背kohaiのように
掛けてあるのは、染色家の柳悦博氏に
頼んで作ってもらったものだということ

そして「熊野九十九王子絵巻」から
観音堂のようなものが
描かれているところを少し紹介







こちらは藤原時代
(9世紀~12世紀)の銅鏡
線刻阿弥陀五仏鏡像

その部分から観音菩薩

2022年6月11日土曜日

備前焼 舟徳利 銘:驟雨


備前焼の舟徳利
自然釉で出来た
偶然の模様、景色が面白い
山あり、稲妻あり、雨雲あり

雨雲のよう

夕立のようにも見える

山の上空で稲光

山に落雷