匠家必用記下巻から
11、12、13章の
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右の通り用べし。何れも白木の臺木具を用て可也。ぬりものわ(は)よろしからず。番匠たる人は麻上下を着し神拝する。次に中臣祓を誦べし。次に大殿祭祓門建立の時は、大殿祭祓を除て御門祭りのたぐいをよむべし。次に一切成就の祓をよみ、次に四方へ祝儀餅、蒔銭を披露すべし。北より始、東南西と弘む。神事終て祝言を述べし。
匠家必用記下巻から
11、12、13章の
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匠家必用記下巻から
六、七、八、九、十章の
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六 鞭掛の事
鞭掛は宮でんむね板の下、破風中よりつらぬき出たる木なり。神代には万事しっそなれば、屋根まいの端外へあまいたるかたち也。男神のみやに十本、女神宮に八本也。然れども伊勢両宮にかぎり、このほかのみやには、はばかるべきことか。
七 玉垣の事
玉垣は角なり木にぬきを通し、神社の廻りに押通して之を設く。又は左の図のごとく厚き板にて造るもあり。是本式の玉垣也。或は木の皮を削ずそのまま用るあり。是を黒木の玉がきといふ也。玉がきを瑞垣(みづがき)ともあらがきともいふ。神社によりて二重、三重、設る也。然時は内にあるを瑞垣と云、外にあるを玉がきともあら垣ともいふなり。
皆是汚穢(けがれ)、不浄を入ざる為の垣也。谷氏曰、木の削たるを朱の玉垣と云。朱にぬる謂なし、と。今俗間にいふ玉がきわ過半上を立格子にして下に壁を、或は組格子に付こし板打、上に雨覆有。是は玉がきといふ物にはあらず、かべがきなり。神社のかこみなり。意あらん人は本式の玉垣に造るべきこと也。
八 拝殿の事
神社の拝殿を造るにはひじき造りなるべし。からはふ等は両部習合の制作にして、神代の遺風にあらずと先輩に聞き侍る。
九 神門の事
神門を建立するには、其地の広狭を見合、宜に造べし。近世印行の書に、門を造に唐尺の法を用といえり。甚妄説也。信用することなかれ「唐尺の弁委は後にいだしぬ」。組物彫ものづくり、或は二重(にちょ)造り、瓦ぶきと、神国の忌風にあらざる故、神の御心に叶ざらんか。門の両脇に門守の
神と安鎮ずる也。此神を豊盤間戸尊、櫛盤間戸命と云。両部習合に神門には両金剛を安置す「今俗に云仁王なり」。是を仏門に置は是にして、神門に置くは非也。くわしくは俗説弁に見えたり。