2024年4月23日火曜日

19世紀ギターブリッジ作り



製作中の19世紀ギター
初期ミルクール•タイプの
ブリッジを作る黒檀の選別

今回の楽器は弦に
細めのフロロカーボンを使う
という要望なので
ブリッジの黒檀は
やや軽めで反応が鈍いものを選別


こちらはブリッジ両側の装飾
ムスタッシュ




ブリッジ出来上がり
両側のムスタッシュは
膠(ニカワ)焼付け接着

2024年4月21日日曜日

18世紀マンドリン修復 イッカクの牙を曲げる

 

修復中の18世紀マンドリンの
欠落部品を作っていく


これは昔作られたステッキ
素材はイッカクの牙と思われます



今回はデコラソーでカットしてみた

ヤスリで成形

欠片で曲げの実験
乾いたままの状態で
どこまで曲がるか・・

これくらいは曲げることが出来ますが
やはり折れやすい

これは一晩水に浸けて曲げたもの

余分を削って出来上がり

参考までに、象牙や骨を曲げるには
イタリアの製作家
Lorenzo Lippiさんによると
酢に数時間、できれば1日か2日
浸しておくと軟化するということです
あるいは10%以下のクエン酸に浸す
という方法もあるようです
その方法で軟化させた骨を
結ぶこともできたそうです

Lippi さんが提供して下さった画像
この方法では骨の種類によって
簡単に曲がるものと
なかなか曲がらないものが
あるということです

他の方法としては
蒸留酒と水を1:5の割合で混合し
その液に4、5日間浸す

それから、水と苛性ソーダの溶液で
30分ほど煮る
あるいは、蓋ができる広口の瓶に
純粋なリン酸水を入れ浸しておくことで
軟化させる方法もあるようです

2024年4月18日木曜日

琵琶行再現動画 そして豆平鉋刃口真鍮

 

以前紹介した中国の叙事詩
琵琶行biwakohが映像化
されいるのを発見
正倉院所蔵のものと同様の
楽器と撥が使われていて

トレモロまでなされている


こちらは工房の様子
ハイス全鋼豆平鉋の刃口が
乱れてきたので
真鍮板を埋めることにした


瞬間接着剤で接着



出来上がり

製作中の19世紀ギターの
黒檀バインディング削り



2024年4月15日月曜日

黒澤明の絵コンテ



 
映画監督 黒澤明の本
映画「海は見ていた」の絵コンテと脚本
創作ノートが紹介されたもの
いろいろ興味深い
本のカバーは開きにくかったり
持ちにくかったり、読みにくかったりするのですぐに外してしまう
カバーを外した本は寂しいものが多いがこれはなかなか面白い
が、色がなくちょっと寂しいので
自分で色付けした


黒澤明氏は若い頃
画家を目指していたそうで
さすがに絵コンテは素晴らしい
同時代の画家、梅原龍三郎や木村荘八の
画風に似ているのも興味深い

黒澤氏の絵コンテ

黒澤明とほぼ同時代の日本画家
福田平八郎の作品

木村荘八の作品

梅原龍三郎の作品 

梅原作品

2024年4月14日日曜日

簾越しの夕日がさざ波のよう

簾越しの夕日

さざ波のよう


1840年生まれ、19世紀
オーストリアの画家ハンス・マカルトが
描いた楽器、リュート

そして海の表現
海の水の表現などは
日本の洋画黎明期の画家たち
たとえば原田直次郎や
山本芳翠hohsuiなどに
影響を与えていたのかもしれない

山本芳翠の作品

原田直次郎の作品

工房の様子
パーフリング鉋がけ