明治から昭和にかけての
博物学者、南方熊楠
Minakata Kumagusuの
コレクションの中に
燕石があるのだが
それは中国では蝙蝠石と
呼ばれている三葉虫の化石で
現在では燕石といえば
スピリファーの
化石とされている
だが「燕石考」という論文では
スピリファーのことにも
言及しているので
スピリファーのことを燕石
というのも当然
知っていたものと思われ
スピリファーを
コレクションしていなかった
だけのことと思われる
上の画像の右の
プレートの一部を拡大したもの
Drepanura premesnili
ドレパヌラ・プレメスニリィ
という三葉虫の尾の部分
中国北東部山東省産
時代は中期カンブリア紀
これも同じ三葉虫の部分と
思われる
三葉虫ネオメタカンスス
ハルペスと名付けられている
三葉虫化石
これは現在一般的に
燕石enseki と
呼ばれている
スピリファーの化石
別種のスピリファー
南方熊楠の論文
「燕石考」で紹介されている
スピリファー
同じく江戸時代のもの
編者は稲若水となっているが
稲生若水のことと思われる
この図では雄と雌として
挙げられているが
実際は違った種類で
熊楠は「日本人は古来
天然の産物で互いに
よく似たものを
一方は他方の変形と
思い込む習慣が強かった」
と補足している