2011年8月21日日曜日

明治十年第一回内国勧業博覧会に出品された砥石


明治10年に東京上野公園で開催された
第1回内国勧業博覧会の展示品の
砥石について書かれた解説本を紹介しておきます
この内、中砥、仕上砥と荒砥について
こちらで表にしてみました

他の画像はこちらで紹介しています
別タブ、又は別ウンドウで開くと
大きな画像を見ることができます
















2011年8月20日土曜日

畦引き鋸

  

 ヘッドの加工に、新たに手に入れた
小さな畦引き鋸を使ってみました


刃渡り3cm
この大きさのものは
あまり市販されていないので
見つけたときに買っておいたものです

ネック角度仕上の動画はこちら





畔引き鋸とは何の関係もありません・・



2011年8月13日土曜日

今日の工房


製作中の二台の特注ラプレヴォット・タイプ
昨日裏板の膨らみを仕上げ
今日は内側をくり抜く作業を主に行いました
鑿(ノミ)で荒削りをした後




四方反り鉋で鑿の削り痕を消していくのですが
これまで使っていたものに加え
新しい四方反り鉋を使い始めたら
これが切れが軽く、驚きました
上の写真はこれまで使ってきたものですが
鋼は安来鋼青紙(特殊鋼)です
今回手に入れたものは安来鋼白紙(炭素鋼)と
思われますが、ここまで切れの軽さが違うと
ちょっとこれまでのものは使う気になれません
とくに粘りの強いメープル材では
鉋の切れの違いが顕著に表れます




ということで、20年ほど前に手に入れていた
炭素鋼の古い鉋身に取り換えました
写真左はこれまで使っていたもので
台に挿(す)げているのが炭素鋼の刃
使ってみて驚き、やはり切れの軽さが違います
早く取り換えておくべきでした・・












2011年8月12日金曜日

不思議な符合 飛騨の位山と芦屋市 その2

都竹昭雄(つづく あきお)著 「飛騨の霊峰 位山」から部分転載

この写真は乗鞍岳の麓にある岩で
横幅約2,5mほどの大きさだということですが
この岩にも位山にある岩と同じペトログリフ(古代文字)
刻まれています 地図参照
位山と乗鞍岳は30kmほど離れていますが
日本ペトログラフ(ペトログリフ)協会の
調べによると、この形状は
飛騨地方にしか見られないということです

私がこの象形を見ておや?と思ったのは
この形が槌(つち)に似ていて
そして興味深いのは
ナマズ石や弥生時代の会下山遺跡がある
兵庫県芦屋市には
打出小槌町という地名があるのです

こちらのHPの「日本刀について」で
宮下文書に記されている三種の神器について
少し紹介していますが 参照
そこで、「佐渡島より金、銀、黒鉄の三品の砂を
掘り集め剣刀知を師匠とし、三者が工夫を凝らし
黒鉄、金を解かして大槌、小槌を造った
大槌は黒鉄、小槌は金、さらに、鉄、金に銀を
三分混ぜて火で焼き解かし、平らな石の上で
手力男命夫婦が先に造った大槌小槌で
百日打ち鍛え宝剣を八本造った」
とあるように、刀を鍛えるにはまず槌が必要なのです
つまり、槌は鍛冶の最も大切な道具で
鍛冶の象徴でもあるわけです
そのマークを岩に刻み付けた
理由は
何だったのでしょうか・・



 

参考までに、これは刃物鍛冶の名工
千代鶴是秀が使っていたとされる
火造り用の槌です


2011年8月10日水曜日

不思議な符合 飛騨の位山と芦屋市

飛騨(岐阜県高山市)に位山(くらいやま)という
霊峰があり、この山は古来から
岩座(いわくら)信仰の対象であり
龍神が守っているという言い伝えもあります

日本書紀をはじめとする
六国史(りっこくし)以外の古文書とされる
竹内文書や秀真伝(ホツマツタエ)でも
位山のことが記されていて
古代の高天原(たかまがはら)は飛騨であった
ことや、天照大神の岩戸隠れの話
それから弟のスサノオのことも記されているので
最古の産鉄民族の国であったヒッタイトから
インド経由で日本に渡って来た民族が
関係していたことになります

その一つに鹿島曻説があり、それによると
旧約聖書に登場するソロモン王率いる
タルシン船団が(紀元前10世紀頃)
アジア各地にコロニー(植民地)を作っていたが
それが日本にも及んでいたとしています
製鉄基地としては、八幡神社の総本社である
宇佐八幡が鎮座する大分県国東半島が挙げられ
そこでは紀元前7世紀頃とされる
大規模な製鉄遺跡が発見されています

これらのことを伏線として、先に紹介した位山を
見ていきたいと思うのですが
このことは以前紹介した
福岡県春日市と兵庫県芦屋市の
弥生時代の遺跡とも関係してくるのです(参照


都竹昭雄(つづく あきお)著 「飛騨の霊峰 位山」から部分転載

位山には巨石群が見られますが
このことからも位山が岩座(いわくら)信仰の
対象だったことが分かります
以前紹介した兵庫県芦屋市の
「ナマズ石」(参照:五段目のように
位山の巨石にも古代文字が見られ
その一つの象形におや?と思ったのが上の写真です


2011年8月6日土曜日

アサガオにバッタ


以前紹介したアサガオは
毎年あちらこちらに芽を出します


これは肥料を施したものですが
葉がこんなに大きくなりました
葉がハート形のものは原種だということです


アマガエルが二匹乗っても大丈夫

今朝、花の中にバッタが入っていました


2011年8月5日金曜日

工房の様子 鉋の活躍


 先日手に入れた國家(くにいえ)鉋寸八
横板の中仕上として使ってみました


一枚刃の影響か青紙鋼でも削りは軽く


 このように厚めに削っても
逆目を止めることができます



これはラプレヴォット・タイプ二台分の
内部ブロック(参照


そしてこれは曲げた横板と
それに接着する内部ライニング材
こうして見ると、それぞれの工程で
4丁の鉋が使われています
これまで気にすることはありませんでしたが
この使い方はより早く
また楽に作業を進めることができます


この鉋は先日紹介した「錦」銘の寸八 


出来上がったライニング材(接着代・しろ)
この後ギターの形に曲げていきます



2011年8月1日月曜日

青紙鋼鉋の出番


青紙鋼の鉋は切れが重く
私は主力では使いませんが
青紙鉋が役に立つ場合も当然あります

製作中のこの二台のラプレヴォット・タイプ
サウンド・ホールの装飾には真黒の黒檀を使います
それを接着した後、響板全体を鉋仕上げしますが
このときには青紙鋼の鉋が役に立ちます





真黒・黒檀を炭素鋼の鉋で削ると
刃先が細かく欠ける場合が多く
そのまま使うと柔らかいスプルースに
刃欠けの筋痕が残るのです
その点、青紙鋼はあまり心配がありません
とくにこの二代目・金井鉋の鋼は甘めなので
二台分の響板を何の問題もなく
仕上げることができました
これには助かります





2011年7月30日土曜日

青紙鋼の逆襲


このブログで、青紙鋼の鉋は切れが重いとか
白紙鋼の方が永切れするといったことを
続けて云っていたためか
ここのところ青紙鋼の優れた鉋が
逆襲をしてきているようです・・

 今回手に入れた古い鉋身も青紙鋼でした
銘は國(国)家(くにいえ と読みたいところです)
火花の出方は27日に紹介したものよりも少なく
以前紹介した初代・金井に似た感じです

台に挿(す)げて早速使ってみると
研いだ感じでは良い感触でしたが
鋼が甘すぎてちょっと使い物になりません
ということで焼き入れと焼き戻しをやり直しました
今回の焼き戻しは180度前後で90分
上の画像と下の二枚は焼き戻し後の様子です








 そしてこれら三枚の画像は
焼き入れ前の状態です




 はがねと地鉄じがねの様子には
ほとんど変化は見られませんが




使ってみて驚きました




まず、いつものガンコな不明材
削ってみたのですが
切れ味軽く、驚くほど永切れします


逆目もほぼ止まっています



さんざん削っても刃先はやや摩耗したくらいで
まだまだ調子よく切れます



 そのままの刃先の状態で、ごく柔らかくパサパサの
スプルースを削ったのですが
これも切れ味よく削ることができるのです



削り肌も美しい・・・これには参りました
初弘の青紙鋼や先日の「」銘鉋と
ぜひ削り比べをやってみたいところです

2011年7月27日水曜日

青紙鋼 名誉挽回


なかなか雰囲気のよい鉋身を手に入れました

研いでみると裏押しの感じも含め
強靭で、しかもしっかりと粘る印象を受けました
だいたいこのような研ぎ感の鉋身は
良いものが多いのですが


これは大当たりでした
鋼は安来鋼の青紙系と思われるのですが
青紙にしては火花の量が多い感じもします・・




銘に「錦」の字が一字切られているだけで
作者の手掛かりはありません・・
どなたかご存じの方がいらっしゃいましたら
ぜひご教示をお願いいたします




例のガンコな不明材をまず削ってみましたが
切れ味軽く、驚くほど永切れします


一枚刃ですが
なんとか逆目も止めることができました


の刃先の状態でもまだまだ切れは止んでいません
このガンコな不明材を削ったなかでは
永切れはトップクラスで
藤井刀匠鉋や石社(いしこそ)鉋といい勝負です