2009年8月10日月曜日

貴重品 ゴホウラ

巻貝の貝殻ですが




適当なところでカットすると
ご覧のように美しい造形模様が現れます
こようなことは
古代の人々もやっていたようで




ついに、このような腕輪を作ってしまったのです
この貝は南洋の海に生息している 
ゴホウラ
という貝だそうですが
この貝の腕輪はよほど貴重なものだったのか




時代が下り古墳時代になると
このように、わざわざ碧玉(へきぎょく)という
ひじょうに硬い石で同じ形状のものを
作るようになったのです 参照

2009年8月9日日曜日

8月8日はハーバーの日・・

昨日は神戸ハーバーランドに行ってきました
ウィーンで活躍されている指揮者
抜井厚氏の一時帰国歓迎会での
余興を頼まれたのです
8月8日はハーバー
(8 8
の語呂合わせですな
の日ということで
お祭り騒ぎの大変な賑わいでした

終わって外に出てみると
すでに夜になっていました
考えてみると、こうして夜の港神戸を
眺めるのは初めてなのでした

2009年8月4日火曜日

ついでにギターの裏板を・・

ギターの裏板は表板より硬い木を使います


これはローズウッドという木です
硬い木を削る鉋は、表板のように柔らかい木を
削る鉋とは違ったものが必要となります
上の画像の左の小さい鉋は荒削り用のもの
鋼は超特殊鋼(燕鋼)が使われています
右の仕上げ用の寸八鉋は、粉末ハイス鋼のものです
どちらの鋼も強靭で切れ味がよく、永切れします

この画像は荒削りの状態です
ローズウッドは逆目が細かく入り混じっています

この逆目を仕上げ鉋で止めてしまいます

これでほとんど逆目がなくなりました
こうしておくと、音作りも含めて
後の作業がたいへん楽になります
特に、私は木の肌を生かしたニス仕上げを行いますので
この作業は重要なのです
スクレーパーやサンディングでは手間がかかってしまいます

2009年8月3日月曜日

鉋屑 木細胞

今日はギターの表板と裏板の 鉋(カンナ)かけを行いました これは仕上げが終わった状態

寸八の仕上げ鉋は名工・三代目千代鶴こと 今は亡き落合宇一氏の「三水」銘のものです 鋼は炭素鋼と思われますが 研ぎあがりの冴えと切れ味は すばらしいものがあります 鉋台は削ろう会発足に尽力されたことでも知られる 名古屋の青山鉋店の青山駿一氏に打ってもらいました 氏には私が独立する前からお世話になっています

寸八鉋とは このように削り巾が一寸八分(約5.5cm)の 巾を削ることのできる鉋のことをいいます 鉋の刃先の巾は6cmほどありますが 平らなところを削ったときに段が付かないように 両側を少し研ぎ落していますので 削り巾は5.5cmほどになります

この鉋屑を顕微鏡で覗いてみました

これは約150倍に拡大したものです 丸い玉のようなものは何なのでしょうか・・ 材種はヨーロッパ・アルプス産のスプルースで 製材されてから30年ほど経っているものです
さらに拡大してみました 丸いものは木細胞の一部でしょうか・・

2009年8月2日日曜日

クワガタ曲線

これはギターの糸巻きのツマミです




市販されている糸巻きのツマミは
現代の大きなボディに合った大きさのものが
付けられているので、19世紀ギターに付けると
見た目が不自然になります
白いプラスチックというのも
雰囲気が19世紀ギターとは合いません





それで、こういうふうにツマミを
作り替えているのです
材質はコクタン(エボニー)
もちろんクワガタ曲線です

2009年7月29日水曜日

誘惑に負けました・・

嗚呼、ついに誘惑に負けてしまったのでありました・・

右側の2個が新たに手に入れたクマサカガイ
これで三役揃い踏み

こうして見ると、やはり貝くんの
それぞれの好みがありますな・・





こちらのお方は

丸っこいのが好みのようで・・
それにしても重そう・・



スゴイのは、これなどは

他のクマサカガイのカケラを取り込んだ
クマサカガイのそのまたカケラを
取り込んでいるのであります

つまり三代に亘ってリサイクルされているのであります



こちらのお方は
尖ったものが好みのようで・・







初めて細長いものに興味を示したのは

ちょうど反抗期の頃でありました
その後、細長い巻貝に興味が移り
最初の頃は他人様に迷惑がかからぬよう
尖った方を自分の方に向けていましたが

成人式のときに失恋をし

ヤケを起こして、ご覧のとおり・・・
その後、先端恐怖症の人に怖がられ
それだけではなく、歩くときには自分が迷惑
あちこちに引っ掛かって、歩けたものではない


深く反省をし、それ以来尖ったものはやめました
人生の総決算として初めて召した黒袴

2009年7月28日火曜日

驚異の技術

ミクロワールドサービス から
新たにプレパラートが届きました

プレパラートの中央部にある丸印の中に
小さな点がありますが
そこを顕微鏡で覗くと・・




こようになっています
つまり、誰かの手によって
小さな小さな微生物がこのように並べられたということです
この技術には驚きます
どのように為されたのかは想像もつきませんが
感動あるのみです・・・



プレパラートも

プロの腕にかかるとご覧のとうりです
ミクロワールドサービスの技術は
世界でもトップクラスのようですが
そのことがよく理解できます


様々な種類の珪藻群
お伽の国の遊園地のようです

これだけの種類のものを集めるのも
大変だと思うのですが、その配置もすばらしい



これは蚊の翅だそうです

信じられません・・

こちらにはショウジョウバエの
表面の拡大画像が紹介されています
これにも驚かされてしまいます

創造主おそるべし

異色の陶芸家 須藤久男氏

陶芸家の須藤さんから
先般、作品展を観に行った際の写真が届きました


これは奄美の森の種たち
実物を何十倍にも拡大した
作品群を
一つ一つ見ていると
須藤さんの視点と
創造主の思惑の対話の声が
聞こえてくるような
錯覚に陥るのです
広い展示会場が
須藤ワールド一色に
染められていたのには
正直驚きました
これだけの空間の広さに
呑まれていない
ということだけでも
大したものです
作品の前に立つと
その魅力と存在感に
さらに圧倒されます

2009年7月24日金曜日

理想のブリッジ

今制作中の19世紀ギター
銀杏(ぎんなん)形のサウンド・ホールには
この形のブリッジが合うように思います
ラプレヴォットのオリジナルもこのような形ですが
私のものはやや形状と大きさが違っています
私にとってはこの大きさと形状が理想的なのです
クワガタ曲線も入っていますし・・



人間の鼻や目、それから口や耳の大きさは
機能上、体の大きさとのバランスが
取れているのだと思いますが
それと同様に、ギターのブリッジというパーツは
楽器の大きさとのちょうど良いバランスがあるはずです
その機能は、外からは見えない楽器全体の
強度とも関係していて
その強度は、その楽器を作る者の
音作りの考えの影響を受けています

そうすると、外から眺めた楽器全体と比較して
ちょうど良いと思われる大きさと形状のブリッジに合わせて
その背後の見えない楽器の強度を作って
いけばいいのでしょうか・・
それとも、自分の目指す音を作るために必要な強度を
作った後にブリッジの大きさや形状は
決めるべきなのでしょうか
その時には、楽器本体とのバランスは
無視してもいいのでしょうか・・

このことは、ギターを作る度に考え込んでしまうのです・・

2009年7月21日火曜日

理想の石器

古代の生活必需品であった鏃(やじり)と槍の穂先
狙う獲物の大きさに合わせて鏃や槍は作られました
使う状況に応じて理想の大きさと形があった
ということは容易に想像できます




ところが、これを見ると
どうも実用品ではないような気がします
これは両先端部が割れていますが
元の大きさは実用品にしては大きすぎると思われるのです




ということで、画像処理をして
断片から元の形状を想像してみました
長さは25cmほどの槍の穂先になります
実用品だとしたら
当時の象などの大型動物を
仕留めるのに使われたのでしょうか・・

もし実用品でなかったとしたら
これは石器を作る際に出た剥片に
とんでもなく大きなものがあったからだと想像できるのです

私は古代の方法と思われるやり方で
石器を作ったことがあります
今でも時々作っていますが、最初に
原石を打ち欠いて剝片を割り出す必要があります
この作業は偶然に左右される要素が大きく
大きな剝片を得ようと思ってもなかなか割り出せないのです
上に挙げたような長さが25cmほどの槍の穂先を
作るためには剝片の長さは30cm以上必要でしょう
そのための原石はもっと大きなものが必要になってきます
また、それを割る際には一人では無理です

ですから、狩りに行く前には
共同作業で石器を作っていたのではないかと思われます
そのときに、びっくりするような剝片が取れた・・
これには作業をしていた誰もが目を瞠り
どよめきが起こったのではないでしょうか
そして、石器作りの名人が皆から促され
その大きな剝片を手に取った・・
名人が作業を始めると、誰もが注目し
名人の作業は流れるように進んでいったことでしょう
それを目に焼き付けていた若者は
あとで見よう見まねで試したはずです

名人の最後の仕上げが終わり
出来上がった石器を空にかざすと
誰もが拍手喝采、再びどよめきが起こったことは
想像に難くありません

2009年7月14日火曜日

吉田淑江さんの型染 その展示空間でフルート演奏

先般見に行った、丹波篠山在住の染色作家
吉田淑江さんの作品展から





これら3点は特に心に残ったものです

吉田さんの作品世界は
吉田さんの性格のようにカラリとして明るく
しっかりとしています
日本的な雰囲気のものも
じめじめしていなくて、好感が持てます
引っ掛かりが全くないので素直に心に沁み入ります
こういった作品には分野を問わず
なかなかお目にかかれません

いつも身近に置いて眺めていたい作品です



その芳醇で柔らかな空間の中で
フルート奏者の大和 賛(やまと あきら)さんが
演奏をしてくれました
不肖ながら、ワタクシメが自作のギターで
伴奏を務めさせてもらいました




2009年7月8日水曜日

貝にもコレクターが・・


何という貝かは知りません
この御方もミノムシくんのように
アクセサリーに興味がおありのようで・・
周辺のゴミがもったいないので
リサイクルしているのでしょうか・・
しかし、こういったものを見ると
進化論などというものは信じられなくなります