今日は19世紀ギター、ラプレヴォット・タイプの
裏板の接着面を仕上げました
この面を基準に裏板をヴァイオリンのような
膨らみの付いた形状に仕上げていきます
荒削りをする際に
寸六鉋4丁で削り比べを行いました
最初に「も作」銘の身幅60mmのもの
鋼は炭素鋼系、安来鋼・白紙と思われます
以前述べましたが、メープルのように
粘りの強い材を削るには、切れの軽い
炭素鋼の鉋を私は主に使います
この鉋は刃角度が28度ほどあるので
メープルを削るとやや重く感じます
次に「中惣」銘の身幅63mm、刃角度約26度
鋼は炭素鋼系のスウェーデン鋼と思われます
軽い切れで永切れします
これは初代・初弘、身幅65mm
刃角度は蛤(はまぐり)刃で約24度
鋼は炭素鋼系ですが種類は分かりません
手に入れた状態では
台に乾性油が沁み込ませてあり
それが硬化していた状態でしたが
その手触りがベタベタした感じで
使い難かったので、台を交換しました
これも軽い切れで永切れします
中惣と甲乙付け難い感じです
これは上の2丁とほぼ同じ時代の鉋で
「来一郎」銘の身幅65mmのものです
鋼は安来鋼・青紙と思われます
この鉋も入手した時点では削り肌がザラつき
研ぎ上げた状態でも刃先に細かい欠けが
目立ったので、焼き戻しをしたものです
その後は調子よく、削り肌も美しくなりました
さて、これからは仕上削りですが
再び藤井刀匠作の玉鋼・寸八(身幅72mm)に
登場してもらいました
昨日スプルースを削った状態で(参照)
使い始めましたが、軽い切れで
驚くほど永切れします
ラプレヴォットの裏板は、外側が
不安定な形状をしているので
最後の仕上げは片手で鉋を持って
削らなければなりません
ですから、鉋がよく切れると大変助かるのです
ラプレヴォットの裏板は、外側が
不安定な形状をしているので
最後の仕上げは片手で鉋を持って
削らなければなりません
ですから、鉋がよく切れると大変助かるのです
このように摩耗し尽している感じなのですが
まだまだ切れは止んでいないのです
藤井鉋 おそるべし・・
藤井鉋 おそるべし・・
これは藤井作玉鋼鉋と交互に
仕上削りに使った東郷鋼のものですが
仕上削りに使った東郷鋼のものですが
研ぎ上げた状態から使ったにもかかわらず