2014年2月18日火曜日

一尺窓鋸で紫檀材を製材する

製作中のマリアハープのブリッジを作るため
紫檀材を一尺(刃渡り約30cm)窓鋸で製材しました
YouTube動画UPしました


通常使っているインド・ローズウッドよりも重く堅い材ですが
切れは軽く、苦労することなく挽くことができました









 こちらは動画とは関係ありませんが
以前紹介した正宗銘の小刀
身が薄い方に革を巻きました
接着剤は以前紹介した
スティック状ボンド


これで手が痛くなくなりました







2014年2月17日月曜日

磨工室瑣談から浄教寺砥について その1

磨工室瑣談という叢書から、浄教寺砥について書かれたものを現代語風に読み下して紹介しておきたいと思います。

磨工室瑣談 二 浄教寺砥について
陸軍一等看護長 松本操

浄教寺砥(陸軍では浄見寺砥と書き慣わしてきたが、砥石の産出地では浄教寺砥とされているので、以下この名称を使うことにする)は石質はやや粗く、刀剣類の研磨で主に中研ぎとして使われている。浄教寺砥には三種類あり、赤砥を最上品とし、真正の浄教寺砥と呼んでいる。
赤砥   上等品
薄赤砥 中等品
白砥   下等品

浄教寺じょうけんじ赤砥(参照) 


浄教寺白砥(参照





浄教寺砥を産出する土地は福井県足羽郡一乗谷村浄教寺というところで、他の土地では産出しないということである。
一乗谷村浄教寺は福井市から西方約15kmの山地で、有名な足羽川流域に位置する。道路は比較的良く、通常は自動車の通行があるが、視察した時は積雪が多く道路の除雪が困難で、福井市内以外は警察署より自動車通行禁止令が出された状態であった。砥石産出場までの順路は、足羽川左岸の堤防を遡り約8km進み、稲津橋を渡り東郷村を経て山脚の迂回道路に入り、目的地である浄教寺に到着した(福井駅より約3時間を要した)。
浄教寺砥は福井県下の物産としてはごく少量であるが、その販路は全国的に普及していて、現在、平均年産は約380トン~570トンで、主に東京、大阪、名古屋方面の問屋に販売しているということである。砥脈がある山の持ち主は一乗谷村の吉田意佐雄氏で、他には砥石山を所有している人はいないそうであるが、今から約50年前には今立郡河田村付近で同地に住む伝九郎という者が若干の砥石を採掘していたということだが、現在は全く行われていない。

採掘現場は今立郡、大野郡、足羽郡の郡境、海抜360mほどの地域で、山の所在地は浄教寺字砥谷12号3番地とされている。採掘作業は毎年降雪期を過ぎ付近の雪解けを待って開始され、その年のおおむね12月中旬まで続けられる。この期間に採掘運搬貯蔵されたものは雪解けするまでの冬の間、自宅で形造りをした後、各地に搬出される。採掘作業に要する人夫は、本業開始の際に持ち主は常雇い人夫として約30名、臨時人夫として約20名(臨時人夫は土地の者で、副業的人夫)、計50名の人員を雇い、組となって採掘作業を行う。採取する砥石は大板(1枚が3.8トン位のものもあるという)のまま途中まで軌道運搬をし、そこから自宅まで手車や馬車で運び、土蔵や納屋に格納する。これらの実況は前述したように作業閉塞期だったので詳しく視察することが出来なかったのは残念である。

地層は砥石質を含む岩石によって周囲を包囲され、12段の分割層を成している。図のように砥石層6段と粘土層6段が交互に層となっており、一つの砥石層の色あいや砥質は全く同じものであるということである。つまり、薄赤砥石の層はすべて薄赤色の砥石が採れ、白砥の層はすべて白色の砥石が採れるという訳である。このようになっている地層の砥石を採掘するためには、まず通例として、爆薬で包囲している岩石を破砕し砥石層の表層面を現した後、十字鍬や鋸などを使って上層から順次下層に切り込んでいき、粘土を排除しながら1層ずつ貫き取っていく。一割の穴の深さは18m~27mほどに掘り下げるため水分が多く、排水装置の必要があるため、現在では隧道(トンネル)式に改め、排水溝を設けている。

浄教寺砥は山の持ち主である吉田意佐雄氏の話によれば、今から450年ほど前(朝倉時代)に発見されたものだということである。 発見当時の状況についていろいろと伝説があるそうだが、氏が幼少の頃に父親が亡くなったため確かな話を聞くことが出来なかったということである。発見されてから50年ほどは地元民が鎌研ぎなどに使っていた程度で、他に知られることはなかったが、その後(400年ほど前)ある刀剣師が知ることになり、試した結果、良好なことが認められ、しだいに諸藩の刀剣師に用いられるようになった。

現在の営業主である吉田意佐雄氏の先代である治郎松氏の時代は採掘事業の全盛期で、年産約1140トン~1520トンを産出し、専ら京阪、東京、金沢、その他各地の専売局(支局を含む)、問屋などに販路を求め、一時は専売局指定商人として相当の蓄財を成したが、時代の進歩に伴、しだいに世間一般に金剛砂(人造砥石)を用いるようになったため大きな打撃を負い、永年取引をしてきた専売局指定商人を止むなく解除されることにもなった。それ以来、十数年来の生産は全盛時代に比べ著しく衰退し、約三分の一に減少した。従って、現在では本業を農業に転じ、農閑期の副業的事業として営んでいる。しかしながら、浄教寺砥は各地の要求によりどれだけ採掘しても底を突くことはなく、またこのような砥石は他にはないので、吉田意佐雄氏は楽観的である。
以上、今回の出張では積雪障害が多かったことと土地が不便であったため、充分に視察できなかったのは残念である。 昭和2年3月

その2はこちら


2014年2月16日日曜日

青砥四種を使って国弘銘鉋を研ぐ

1月31日にYouTubeにUPした研ぎ動画の画像を紹介しておきます
この時に使った四種類の青砥
左の2丁は関東方面のものと思われるもので
右2丁は京都産のもの
動画では左から順に右へ使っていきました


これは左端の産地不明の青砥の柾目面
おそらく関東方面のものと思われるのですが
判然としません(参照:砥石産地)
ご存知の方はぜひご教示願います


柾目面で研いだもの
カチリとした硬めの石質ですが良く反応し
強い研磨力があります


粒度は#300~400といったところで
中砥というよりも荒砥といった感じです
やや針気が見られます


こちらは板目面


こちらも同様の反応で強い研磨力があります
京丹波・亀岡産の青砥は板目面では
あまり研磨力がないのですが
この青砥は柾目面も板目面も同様に使えます


研ぎ傷は柾目面よりも針気が少ないので
この面を使っていきたいところです



次も産地不明の青砥

後日、ブログをご覧頂いた方から
栃木県で採掘されていた荒(新)内砥である、とご教示頂きました
この場にてお礼申し上げます


程よい硬さで良く反応し強い研磨力があります


粒度は約#800といったところで
砥目が良く揃っています



次は以前紹介したことのある
京都府相楽郡和束産の青砥




粒度は約#800~#1000



そして最初の画像の右端のもの
京丹波・亀岡産の青砥です


硬めの石質ですが良く反応し
滑らかに研ぐことができます
産地は青野あたりでしょうか・・
そんな感じの研ぎ感です


青砥によく見られる針気はほとんどなく
硬めの石質でこのように研ぎあがる青砥には
めったにお目にかかれません
粒度は約#1500



ここからは仕上砥ぎで
これは中継ぎに使った山口県産杭名砥





そして最終仕上げは福井県産田村砥・戸前(参照










研いだ鉋身は国弘銘・寸八

2014年2月13日木曜日

正宗銘の小刀を仕事で使う

以前紹介した正宗銘・小刀
仕事で使ってみました
YouTube動画UPしました




響板(ヨーロッパ・スプルース)の木口の
繊細な削りにも対応してくれます


削ったのは製作中のマリア・ハープ、ミニサイズの
響板と裏板の縁



こちらは先月8日にUPしていた動画の画像です
使った小刀は以前紹介した
篠山在住の藤井刀匠が鍛えた玉鋼の小刀







2014年2月12日水曜日

自作の楽器を弾く YouTube動画

自作の楽器を使った
YouTube動画を
まとめて紹介してほしい
と要望がありましたので
以下、紹介しておきます

マリア味記子さんのディタルハープとの
二重奏でグラニャーニ作曲 ノクターン3番 
Filippo Gragnani Notturno No3
19th century Dital Harp by Mikiko maria
19th century Guitar 
by Kiyoto Tanaka, own made guitar

Dital Harp & 19th century guitar
Canon by Pachelbel 


新作ディタルタイプ
マリアハープと
19世紀ギター
ラプレヴォット・タイプで
グノーのアベマリア
YouTube動画

2017年6月新作の
初期ミルクール・タイプで
フェルナンド・ソルの

19世紀ギター
(弦長625mm)で伴奏した

19世紀ギター
(弦長625mm)で弾いた
自作の曲パタンの空

2014年作小型モダンタイプ
(弦長630mm)で
バロック時代
Robert de Visee の Preludeと
アイリッシュ・フォークダンスの
Morning Star を弾いてみました


2008年作19世紀ギターLaprevotte
ラプレヴォット・タイプで
ソルのエチュード」を弾く
弦長625mm

2010年作
小型モダン・タイプで
弦長640mm

マリア・ハープ Lサイズで

19世紀ギター
Lacoteラコート・タイプで
ソルのエチュード」を弾く
弦長630mm

19世紀ギター
ラコート・タイプ
(弦長630mm)で

画家・宮本英雄氏の
作品の印象を受け
マリア・ハープで即興演奏

マリア味記子さん作詞・作曲
マリア・ハープ 
ベビータイプと
モダン・タイプ
(弦長650mm)

シルビィ」の伴奏
弦長550mm

2013年作Laprevotte
ラプレヴォット・タイプで
庭の千草」を弾く
弦長625mm

2013年作
ラプレヴォット・タイプで
Gaillarde ガイヤルドを弾く
弦長635mm

マリア味記子さん作曲の
マリア・ハープLサイズと
Laprevotteタイプ
2013年作 弦長625mm

2014年作バロックギター
弦長630mm

藤川淳作曲
組曲 妖精の歌



ソル 月光 三重奏
YouTube動画

マリア味記子さんの
オリジナル曲
愛・この星に生まれて