2014年6月25日水曜日

古い会津鉋 重正寸八を入手 仕事で使ってみました

古い会津鉋「重正」銘・寸八を
手に入れました
銘振りから初代・藤井重正と
思われます

堤章著「会津の刃物鍛冶」
によれば会津刃物鍛冶の
二つの流派
藤井重正系と若林重房の
初代・藤井重正
ということになります
二代前の幕末の刀工
重房が大元になる訳ですが
その子、長男の
安右衛門重房の子が
この鉋を鍛えた
初代・重正となり
大元・重房の次男
猪之吉重房の子が
若林重房になります

手に入れた状態では
上の画像でもお分かりのように
きれいに裏出しも為され
刃も上手に研がれていましたが
刃角度が24度と
こちらで使うには
低すぎるので

このように刃先から1mmほどを
刃角度約28度で研ぎ直しました

立派な台に収められ
大切に保管されていたようです


こちらで押金を付け
二枚刃鉋にしました

昨日紹介した鴻山銘・寸八と
削り比べをやってみました

左が重房・寸八(玉鋼)
右は鴻山・寸八(特殊鋼)
どちらも刃角度は約28度

こちらは重正

削った材は粘りの強い
Black Walnut
ブラック・ウォルナット
重正は切れが軽快で
鴻山はやや重い切れでした

動画撮影後の重正の
刃先の状態
やや白く磨耗していますが
まだ切れは止んでいません

こちらは鴻山

まだ切れは止んでいませんが
重正に比べると
刃先の磨耗が多い感じです

2014年6月24日火曜日

鴻山寸八と佐野勝二作「千代鶴」寸八 削り比べ

先日紹介した
先代・千代鶴貞秀作「鴻山」銘寸八2枚のうち


画像右側のものを研ぎ直しました




刃角度は約28度
鋼は特殊鋼系


台も修正し、使えるようにしました


同じような古さで同様の特殊鋼が使われた
佐野勝二作と思われる「千代鶴」銘寸八(画像左)とで
削り比べをやってみました(YouTube動画UPしました)









削ったのは桑材
これを荒削りしました




こちらは鴻山・寸八


これくらいの削りではまだまだ切れは止んでいませんが
佐野勝二・寸八と比べると
やや刃先の磨耗が多い感じです



こちらは佐野勝二作と思われる
「千代鶴」銘・寸八


刃先はほとんど変化がありません 

2014年6月23日月曜日

鋼の不思議


知人から貰った某有名メーカーの鉋身(右端・小鉋)を
台に挿げ、仕事で使ってみました
鋼は超特殊鋼系を思われますが
研ぎ上げるのになかなか苦労しました・・


左の2丁は、前回紹介した古い会津鉋
左が重輝銘、右は重春銘
鋼はどちらも玉鋼と思われます


製作中のマリアハープのブリッジ加工に使ってみました
材は深いカール杢のブラック・ウォルナットと
杢なしのブラック・ウォルナット

左端の重輝で荒削りを
そして右端の某有名メーカーのものと
その左の重春で仕上げ削りをやってみましたが




仕上げ削りは重春の玉鋼の方が切れが軽く
しかも永切れしました




これはマリアハープ4台分のブリッジ仕上げに使った状態の
某有名メーカーの刃先
仕上げ削りに使ったにもかかわらず
かなり刃先が白く磨耗しています


こちらは荒削りに使った玉鋼の重輝
削った量ははるかに上のものより多かったのですが
刃先はそれほど磨耗していません
上の某有名メーカーの鋼は硬く研ぎ上げるのに苦労しましたが
この玉鋼は楽に研ぎ上げることが出来
しかも永切れするのですから
鋼(はがね)というものはほんとうに不思議です・・


これは仕上げ削りに使った玉鋼の重春
これはそれほど使わなかったので
ほとんど刃先に変化はありません



出来上がった楽器4台のうちの3台




2014年6月21日土曜日

工房近辺の自然 自然の造形物

こちらではようやくアジサイが咲き始めました


咲くとこんな感じ(昨年の様子)



工房裏でよく見かける蜘蛛(クモ)の巣


同じ所に上下に棲み分けて巣がかかっていました
同じ蜘蛛でも巣の形状に好みがあるのかな・・



これは毎年咲く八重咲きのドクダミの花





野生のタンポポのようだが
あまり見かけない花弁の形状・・



今年はセッコクもよく咲きました


紫色のセッコクは今年初めて咲いた・・


ポトリと落ちていたスズメの卵


こうしてしげしげとよく見てみると
何と素晴しいデザインであるか・・
前衛墨絵のよう・・



これも工房の裏で毎年咲く
野生化したアサガオ

2014年6月18日水曜日

楽器木地磨き サンドペーパーかけ

楽器の木地磨きの様子

空研ぎ用のサンドペーパー各種
私は木地磨きにはこれだけで済ませています
荒磨きは#150、仕上げは#220か#240






ギターも同様のやり方をしています

この作業の後、オイル・フィニッシュを行いました
使ったオイルはプラネットカラーの艶消しタイプ