2014年12月16日火曜日

黒媛山青砥


こちらは今回手に入れた天然砥石
黒媛山青砥という
ラベルが貼られた中砥

鎌砥サイズ(長さ12cm、
幅4.5cm、厚み2.7cm)の
小さなものですが
初めて目にする砥石なので
入手してみました


石質は丹波の青砥とは
ずいぶん違った感じで
濃い色になったような
印象を受けます

詳しいことをご存知の
御方がいらっしゃいましたら
ぜひ御教示お願い致します

その後、天然砥石を研究されている長生高野さんから連絡があり
福島県西会津の落合という所で
採掘されていたらしい
ということが判明
会津砥や五十嵐砥が
濃くなったような印象と
述べているのが
間違っていなかった

板目と思われる面で研いでみました
カチッとした程よい硬さで研ぎ易く
強い研磨力があります
砥汁が邪魔にならないのも
好感がもてる

粒度は#800ほどで
砥目がよく揃っています
また、鋼に付く傷が浅いので
後の研ぎが楽に行える感じです

こちらは柾目と思われる面

研いだ感じはほとんど
変わりませんが

こちらの方がやや荒く
深い傷が付きます
研ぎ感は変わらないので
研ぎ傷が浅い板目面を使った方が
いいように思います

仕上砥ぎは前回紹介した
丹波亀岡
使ってみました

1分ほどで鋼の傷はほほ消えました

地鉄(じがね)にはやや荒い傷が
付いていますが
鋼(はがね)はピカリと光るほどに研ぎ上がっており
これで充分仕事で使えます

2014年12月11日木曜日

バンドー化学創始者 阪東直三郎 明治時代20才のときの日記

神戸のバンドー化学の創始者、阪東直三郎氏が
二十才のときに記した日記の翻刻本を入手
その頃、氏はここ丹波篠山の藩士だったということで
なんと、住んでいた場所はここから程近い当時の八上新村


デカンショ街道(国道372号線)の
八上上(やかみ・かみ)付近の大銀杏のあたり


日記は明治4年1月(1871年)から7年1月までの三年間ですが
国内では廃藩置県が行われるなど、明治になってからの
激動の時代とも言える時期、多感な二十代の影響か
藩士の重責もあってか、明治6年には味覚を喪失するほどの
精神的ダメージを受けたようです・・


その日記の中から今の時期に近い明治5年
12月12日の日記を紹介しておこうと思います
現代語風に読み下しておきます
間違いなどありましたらご指摘願います

明治5年12月12日
早朝に起き、午前中はいろいろと雑用をする
午後から立町の裏の黒沢鉄太郎藩士の家に
回覧板を持って行き、しばらく話し込んで
帰ろうとしたところへ、猪肉売りが門の外に
来たのですぐに召し入れ、いっしょに一杯やろう
ということになったので、仕方なく止まった
そこへ須藤氏が来たので三人で午後2時半頃まで酒を飲んだ
帰る途中、裏山に立ち寄ってみると妻が
父親の隠居先で一杯やっていたので、ついつい一杯飲んだ
それから、小林氏の宅へ行き
瀬川に会いたいと申し出たところ
すでに帰郷した後だということだった
仕方なく服部氏のところに行き、しばらく談話し
引き返す途中、また父親の家で一杯やった
食事が終わり母がお粂(女中か)と裏山へ行く
というので留守番をしていたところ
関勉藩士が来て、ぜひ外出しようというので
仕方なく家を出て、しまいには広小路前の
米吉という飲み屋まで来てしまった
そこで一杯やっているところへ今度は北沢氏が来たので
ようやく午後九時頃に店を出ることができた
それから他の者は蕎麦を食べに行ったが
自分は一人だけ辞退し急いで帰宅、就寝した

読みながら思わず笑ってしまった・・
この日はけっこう賑やかに飲んでますな・・
激動の一日・・?

2014年12月7日日曜日

工房の様子 鉋屑と遊ぶネコと製作中の19世紀ギター

12月4日にUPしたYouTube動画の画像を紹介しておきます


この木はフランス産のエピセアepiceaということで
購入したものですが、おそらくイトズギcypresと思われます
榧(カヤ)材によく似た芳香があります


我が家の猫はマタタビには全く反応しないのに
香りのある木材にはよく反応するのです・・
YouTubeに動画をUP

最もお気に入りはオリーブ材の削り屑(参照



こちらは仕上げ削りの様子


使った鉋は高炭素鋼の貞時・寸八


右は通常のドイツ・スプルース


YouTube動画 参照下さい




動画撮影後の様子


ネコはその後、このように熟睡・・



こちらは製作中の19世紀ギター 3台





2014年12月3日水曜日

Namazori 生反り小刀

19世紀ギターの内部
ライニング(接着代しろ)を削っているところ


荒削りは刃幅がやや広いもの(最大幅13mm)を使い


仕上げ削りは最大幅7mmのものを使っています

刃幅13mmのものは刃角度(約25度)の影響か
切れは軽いのですが
7mmのものは刃角度が30度あるせいか
かなり重い切れです


現在使っている生反りですが
左2本がライニング削りに使っているもの
右の2本は彫刻刀ですが
この2本は刃角度は高くはないのですが
切れが重く、なかなか使う気になれないものです
世の中なかなかうまくいきません・・





7mm幅のものはけっこうよく使うので
思い切って刃角度を低くすることにしました
これは研ぎ上げた状態ですが
荒削りはグラインダーで行いました
この画像ではグラインダーの削り跡が確認できます


刃角度は26度になりました
これ以上低くすると身の厚みが薄くなるので
これが限界といった感じです


裏の状態
ついでに少し焼戻しをしたので
裏透き部分の色が変わっています

結果、切れはやや軽くなりましたが
13mm幅のものに比べると重いかな、という感じです・・
ま、これで諦めましょう・・

因みに、小型の槍鉋の形状をした 生反り小刀は
弥生時代から使われていました(参照


生反り小刀を研ぐための専用砥石
右から産地不明の天然中砥(やや荒め)
その右は硬めの青砥
左の2丁は仕上砥で、右は丸尾山産天井巣板
左は硬めの中世中山砥




2014年12月2日火曜日

工房の様子 製作中の19世紀ギター 二種3台

横・裏板Walnutウォルナット仕様のLaprevotteタイプ


こちらは横・裏板Mapleメープル仕様のLaprevotteタイプ


これは横・裏板メープル仕様のLacoteタイプ