2015年4月12日日曜日

ブリッジ三態 筑前琵琶 19世紀ギター 小型モダン・タイプ


修復中の筑前琵琶
欠落している覆手の装飾部品の加工




このように接着して完了


こちらは19世紀ギターのブリッジ


切れ端の形に何故か惹かれるものがある・・


ギター3台分のブリッジ出来上がり





膠(ニカワ)接着


メープル仕様の特注モダン・タイプ
弦長630mm


こちらもMaple仕様の19世紀ギター
ラコート・タイプ 弦長630mm


これは修復中の19世紀ギター


裏板の割れ部分の矯正もうまく行き
補強材を接着し直しました
この後、埋木をしてニスの補修を行います


ヘッドの形状とネックの継ぎ部分を見ると
19世紀ギターに詳しい方は
ラベルの銘が判るかもですね・・

2015年4月10日金曜日

篠山も寒い・・桜と山芍薬 そして野の花

工房近くの一本桜は
そろそろ散り始めている
写真は満開の時のもの


もうこんなに伸びています


花の蕾も・・


ほんとにこんな実が生るのかな・・
種類があるのかな・・
ま、楽しみにしておきましょう


これは工房裏の草むらの花々


2015年4月7日火曜日

茨城県産赤沢砥を使って粉末ハイス鉋を研ぎ上げる

先日、5日に紹介した茨城県産赤沢砥を使って
粉末ハイス鋼(powder HSS)の鉋を研いでみました
YouTube動画参照下さい

動画で最初に使ったのは
現在中砥ぎの主力として使っている
沼田・虎砥の一種とされている天然中砥

この砥石は刃物を選ばず良く反応してくれます
粒度は粗めですが研ぎ傷は浅いので
後の研ぎが楽に行えます

ハイス鋼は中砥ぎをよく行っていないと
仕上げ研ぎに苦労するので
次に先般手に入れた伊予砥を使ってみました

刃先部分はだいたい前段階の研ぎ傷が消えました

次に5日の重利二寸研ぎにも使った
三河名倉(八重ボタン層と思われるもの)

これで次の仕上げ研ぎがかなり楽になります

最初に使ったのは程よい硬さの赤沢砥

1分ほど研いだ状態
粉末ハイス鋼にも充分威力を発揮してくれます
通常ならば、この研ぎ上がりでしたら仕事で使います

動画で最後に使った硬めの赤沢砥


これも1分ほど研いだ状態
地・刃ともにさらに冴えました

刃の研ぎ角度は約28度
ハイス鉋は刃角度を高く(例えば30度)すると
本黒檀などの堅材を削った際
刃先が滑って削れない場合があるので
私は刃角度は通常の鉋と同じにしています

刃先の拡大画像(約180倍)
粉末ハイスの刃は強靭なので仕上砥の傷が付き難いのか
粗い金属粒子に紛れて傷が見えないのか
通常の鋼の刃先とは随分と様子が違って見えます

こちらは同じ2種類の赤沢砥で研ぎ上げた
古い会津鉋、重利二寸(鋼は玉鋼)
これも最終仕上げは1分ほど研いだ状態



さっそく仕事で使ってみました
指板材(本黒檀)を削っているところ


台は市販されている状態で
鉋身の仕込み角度も通常と同じで
ほぼ八分勾配(約39度 参照)になっています


ニカワ接着完了。
こちらは特注小型モダン・タイプ、弦長630mm

こちらは19世紀ギター、特注ラコート・タイプ
弦長630mm

2015年4月5日日曜日

茨城県産赤沢砥で会津鉋重利二寸を研ぎ上げる

前回紹介した茨城県産の赤沢仕上砥
座りが悪かったので
この硬口の大きめのものは木の座布団を・・




やや硬めのものは木の台に
シリコンコークで接着しました


この二丁の赤沢産仕上砥を使って
古い会津鉋、重利銘二寸鉋を研ぎ上げてみました


動画で最初に使ったのは
栃木県産深沢砥


やや柔らかめで強い研磨力があります


研ぎ傷が均一で丹波産青砥によく見られる
針気はほとんどありません
粒度は約#600


次に使ったのは浄教寺砥
粒度約#1000




これも粒度がよく揃っています


そして仕上砥ぎの最初は
やや硬めの赤沢砥
硬めながらまろやかな研ぎ感で
心地よく研ぐことができます


しかも鋼はほぼ鏡面に
地鉄(じがね)もかなり緻密に研ぎ上がります
これで約1分半研いだ状態です
これで充分仕事で使えますが


試し研ぎなので 
大判の硬口で最終仕上げを行いました


1分ほど研いだ状態
地・刃ともに一段と冴えました


刃先の拡大画像(約180倍)
玉鋼の特徴がよく表れた研ぎ上がりです

中砥ぎでもう少し細かい砥石までもっていくと
どういう結果になるのか
次回試してみたいと思います


参考までに、これは裏の拡大画像(約180倍)