2016年4月15日金曜日

ラコート・タイプとルネサンス・ギターの響板 横・裏板を準備

響板を準備


これは30年以上寝かせた
ドツ・スプルース



ルネサンス・ギターは
ギター用の片側で1台分が取れる

紫外線で変色いた部分を
大まかに削り落とす


こちらは19世紀ギター

横・裏板はMapleメープル材 

こちらはRenaissanceルネッサンス・ギター




2016年4月14日木曜日

ルネッサンス・ギターの製作 型枠を作り部材を揃える 


注文を受けているルネッサンス・ギター
Renaissance Guitarの
製作に取りかかりました
(図面描きの様子はこちら
型枠に使うベニヤ板は
以前製作した特注ガルシア・タイプ
型枠を作った端材が使えました





接着を終え

型枠出来上がり


これはネックのヒール部になるセドロ材

ヘッドになるメープル材

Maple材の製材は窓鋸が早い(一尺窓鋸)


大まかに表面を仕上げているところ

使った鉋は古い会津鉋


これから2台分のヘッドが取れるが

厚みがギリギリなので
できるだけ挽き幅の狭い縦挽き鋸を使った
古い伏見鋸の谷口清三郎銘

挽き幅は約0.8mm

慎重を期すため、四方から攻める

何とかうまくいきました

これで各部材が揃いました

2016年4月12日火曜日

特注小型モダン・タイプにフレットを打ち込む

製作中の特注小型モダン・タイプ(弦長640mm)の
フレット溝を切っているところ


鋸は長勝鋸さんに目研ぎをお願いした
古い伏見鋸
銘は谷口清三郎



作業中、注文していた糸巻きが届く

こんな感じ・・



これは面白い杢のWalnutウォルナット材

19世紀ギターLaprevotteラプレヴォット・タイプ
裏板が悠々取れる



オマケ

2016年4月11日月曜日

翠砂砥と柿山砥

姫路の御吉兆さんで販売されている
紀州(和歌山県)産の翠砂砥Suisa-toを手に入れました
翠という字には緑色という意味もありますが
その字のとおりの緑色がかった砥石です

御吉兆さんのHPでも説明されているように
細かめの荒砥、荒めの中砥と言った感じで
粒度は400程度 


程よい硬さで心地よく研ぐことができます

粒度がよく揃っていて
荒めながら、美しく整然と研ぎ上がります
文句なしの研ぎ上がりです
研いだ鉋は寸八サイズ

天然砥石の特徴でもありますが
鋼Haganeの傷も浅めで、後の中砥ぎが楽に行えます


別の鉋を研いだ際に
動画撮影を行いました(参照下さい

研いだ鉋は古い会津鉋、重高寸六(玉鋼)

動画では、翠砂砥の後に使ったのは
荒めの備水砥、そして細かめの備水砥

仕上砥ぎは最初に奥ノ門産・戸前
最後に、これも御吉兆さんからお世話になった柿山砥
柿山砥は詳細な産地は不明ということですが
研いだ感じと研ぎ上がりは奥ノ門産によく似ています
ということで、動画では柿山砥の前に
奥ノ門産・戸前を使ってみました

どちらにしても、この柿山砥は
石質も研ぎ感も研ぎ上がりも
梅ヶ畑の東物とは思えず
愛宕山から大平山にかけてのもの
あるいは滋賀県の高島産(妙覚山のもので
同様のものを、以前持っていました)
といったところではないでしょうか・・
以前紹介した、関東(茨城県)の赤沢砥とは
研ぎ感がかなり違うように感じます


左の柿山砥には淡いカラス状の模様が入っていて
これが柿山砥の特徴ともされているようですが
こういったカラス状の模様は
どの砥石山にも見られるものなので
ある砥石山で掘られたものが
たまたまこのような層に当り
大量に出回ったということも考えられます

その後、御吉兆さんから連絡がありましたので
以下、それを紹介しておきます

柿山砥に付いて判った事がありますので御報告致します
其方の推察通り10中8割方柿山と言う山の名前ではなく
柿渋模様から名付けた様です
此方も奥殿・菖蒲・大平で同じ模様の石を見つけています

柿山砥の名付け元は関東の刃物屋です
昔、南丹市に有る卸元から仕入れた石で其処の卸元が
関東のサイトを見て同じ原石を探し出し
加工した石を此方が仕入れた次第です
只、此方が持っている石は少し特徴があり
薄い緑色系の透明感が有る石で何処の山なのかは判りませんでした
稀に白巣板で羽衣(はごろも・うい)と言う石があり
此方はアルカンサスの様な透明感の白い石があるので
同じ層でも違う色の透明感のある石が出て来るのかも知れません


丹波もの独特の研ぎ上がりです


この砥汁の出方は高島産によく見られますね・・
研ぎ感もよく似ています

奥ノ門産・戸前によく似た研ぎ上がりですが

やや石質が硬めの影響か
地鉄Jiganeはやや緻密に研ぎ上がっています