長崎産の荒砥、雷いかづ(ず)ち砥を手に入れました
この砥石を使った動画をYouTubeにUPしました
研いだ鉋は先日手に入れた古い会津鉋重則銘寸八
この荒砥は現在では採掘されておらず
これは40年ほど前に掘られたものだそうです
この面は柾目になっていて
動画では最初にこの柾目面で研ぎましたが
滑るだけでほとんど反応しませんでした
そういうことなので、この板目面で研いでみましたが
こちらははほど良い反応をしてくれました
砥石自体の粒度は#200前後といった感じですが
鋼の研ぎ傷は浅く、理想的な荒砥です
刃物の刃先の摩耗が激しいときに
この荒砥で刃返りが出る寸前まで研ぐと
後の研ぎが大変楽に行えると思います
次に使ったのは荒めの愛媛県産伊予砥(粒度約#600)
やや柔らかめで反応よく
強い研磨力があります
これも研ぎ傷が浅いので
後の研ぎが大変楽に行えます
次に、試みに群馬県産の砥沢・虎砥を使ってみました
やや硬めですが反応よく
心地よく研ぐことができます
粒度は約#600
次に京都相楽郡和束産の杣田砥を使いました
粒度約#1000
丹波産の青砥よりもやや荒めですが
粒度がよく揃っていて針気はほとんどなく
強い研磨力を発揮してくれます
次に京丹波亀岡・岡花産の青砥で
杣田砥の傷を消しました
粒度は約#2000
この青砥は硬めですが反応よく滑走感もあり
心地よく研ぐことができます
硬口でここまでよく反応するものには
めったにお目にかかれません
丹波産青砥によく見られる
針状の太い傷もほとんど付きません
ここからは仕上げ研ぎですが、まず中継ぎとして
京丹波亀岡市の北隣り
南丹市八木町池ノ内産の戸前を使いました
京丹波産の仕上砥によく見られる吸水の仕方ですが
やや硬めで研ぎ感はすばらしく強い研磨力があります
東物(京都梅ヶ畑)の菖蒲しょうぶ産を彷彿とさせる研ぎ感です
研ぎ上がりも鋼が光るほどに仕上がっています
この感じも東物の中山産に劣りません
質感がこれによく似た中山産を何丁か持っていますが
もしこの池ノ内産が紛れていたら
私は見分ける自信はありません・・
次に産地不明の仕上砥を使いました
東物には間違いはないと思いますが
研ぎ感から五千両かなと感じられます
表面の様子(水に濡れた状態です)
硬口ですが良く反応し、強い研磨力があります
鋼はがねは光り、地鉄じがねの肌が美しく現れます
ですが地鉄には研ぎ傷が確認できるので
鏡面仕上げ用とは言えないところがあります
最後に使ったのは京都梅ヶ畑・五千両産の合砥
表面の様子
これはたいへん硬い最終仕上げ用ですが
ほど良い滑走感で心地よく研ぐことができます
6 件のコメント:
雷砥は始めて聞きました。今回の砥石のラインナップは珍しい砥石が多くて見応え有りました(^_^)
まだまだ知らない忘れさられた砥石が沢山有りそうですね(^-^)話はかわりますが、8月上旬にもう一つの若狭の採掘場を探しに連れて行ってもらいます。良い結果を報告出来る様に頑張ってきますね(^-^)
新たな若狭砥の出現を楽しみにしています。
きょう、但馬産(兵庫県北部)の諸寄砥を手に入れました。
小さなコッパですが、見た目は但馬砥とは全く違います。
ですが、研いだ感じは但馬砥によく似ています。
今日は田中さん、
上の2丁の五千枚かなり硬さが違いますね。
今回購入の砥石は、研げば研ぐだけ面白い砥石ですね。
剃刀を大突で研ぐ、大突の後五千両で再度研ぐ、又五千両のみの研ぎ、以上の剃刀は
革砥石を使用せず髭を剃ると、五千両のみの物は刃当たりが優しいが切れる、それ以上に切れたのが大突、しかし刃当たりがきつい、もっと切れたのが、大突の後五千両を使うと切れる上に刃当たりが優しいです。
本当に最終の最後に使うと面白いですね(*^_^*)。
そちらの五千両は別格ですね・・
同じものが二つとない天然砥石ならではの
おもしろさであり、不思議さだとしみじみ感じます・・
雷砥・・・長崎産ということで産地を調べてみましたが、いまだ不明です。
半世紀以上前に終わりと言うことは、五島の砥石か?
東長崎に戸石という漁港がありますが、戸石神社の近くで砥石が採れていたということで、行って見ました。
材質は大村砥のような材質でした。
硯の整形が刃物の研磨のように荒め(大村砥)
中目(上野砥)細目(対馬砥)を使うと言うことです。
対馬は若田という場所で硯石がとれます。
材質は粘板岩ですから、刃物の研磨にも使えるのではないか・・・等と考えています。
松浦市鷹島だということです。
詳細をメールしました。
まだどこかに眠っているかもしれませんね。
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