昔の職人さんが使っていた会津鉋を入手
身幅42mmほどの一枚刃ですが
刃先が櫛刃になっています
櫛刃鉋は西洋独特のものと
思っていましたが
日本にもあったのか、と
ちょっと驚きました
手工道具全盛期の道具カタログにも
櫛刃鉋は載っていないので
おそらく特注で誂えられたものと
思われます
櫛刃鉋は杢の深いメープルや
堅木削りで主に使われたものと
思われますが
西洋ではヴァイオリン製作で有名な
ストラディバリも使っていたようです
また、19世紀ギターにも裏板や横板の
内側に櫛刃の削り痕が残っているものを
よく目にします
ですから西洋ではかなり古くから
この鉋が使われたようです
とりあえず研ぎ上げてみました
堅木削りにも使われるので
鋼は東郷鋼かな・・
と思っていましたが玉鋼でした
これにもちょっと驚きました
研ぎ角度は刃先から1mmほどを
約29度に研ぎ直しました
刃口も広すぎる状態なので
補修
さっそく試し削りをやってみました
削った板は深い杢のメープル材
荒削りをやってみましたが
切れは通常の刃先よりも軽い感じはあり
一枚刃でも逆目はほぼ止まっています
台は白樫ですが、どういう訳か
黒く塗られています
水には溶解しないので墨ではなく
ステインのようなものが
染み込ませてある感じです
櫛刃の削り痕は通常は
スクレーパーで削り落とすようですが
普通の寸八鉋で削ってみました
せっかく荒削りで会津鉋の
重輝を使ったので
仕上げ削りは重正銘(鋼は玉鋼)を
使ってみました
艶のある美しい削り肌で
逆目もきれいに止まっています
このように平面を削る場合は
スクレーパーで苦労して削るよりは
通常の仕上げ鉋を使った方が
かなり楽ですが
ヴァイオリンなど曲面削りには
スクレーパーが向いているでしょう
試みに木口を荒削りしてみましたが
なかなか具合がよい感じです
試し削り後の刃先の状態
ほとんど変化はありません
当面、木口の荒削り用として使ってみようと思います
他の会津鉋はこちらでまとめて紹介しています
参照下さい
0 件のコメント:
コメントを投稿