2021年11月12日金曜日

正倉院琵琶の撥について

来月から製作を始める
楽琵琶の甲に使う紫檀材
三枚接ぎにする
正倉院に所蔵されている
琵琶を参考にして作っていきます



こちらは鹿頸shishikubiと
覆手fukujuを作るための
紫檀材
鹿頸は鶴首とも呼ばれます

それぞれ産地が違う


さて、こちらは
正倉院に所蔵されている
琵琶の撥bachi
右は象牙を赤く染めた
紅牙kougeに撥鏤bachiruと
いう、赤く染めた象牙の表面を削り
白い部分で模様を描く技法
を施して作られたもの
左は紫檀shitanに金・銀泥で
模様を描いたもの 

どちらもサイズはほぼ同じで
長さは約20cm、先端の幅は約6cm
厚みは先端で約1.5mm
元の部分約3.5mm
因みに平家琵琶の撥は
長さ約19.5cm、先端の幅約11cm
厚みは先端で約2mm
元の部分約5mm 


こちらは、なんと今回、琵琶を
注文して下さった御方が作られたもの
紫檀に金銀で模様が
描かれています
完全に脱帽です 

このような撥では
繊細に絃を弾くこともできるので
現在行われているような
上から撥面を叩くような弾き方以外にも
下から絃を掬い上げるような
弾き方も行っていたのではないか
と想像されるのです

平安時代末に描かれた
源氏物語絵巻には
そのような絵も残っています



こちらは中国唐時代の
琵琶を弾ずる絵
上の源氏物語絵巻とよく似ています

再現された動画
参照YouTube動画

弓で弾く琵琶まであったようです

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