12日のコメントの続き・・
判読できなかった文字二つを調べていて
ふと思い出したのですが
HPの「天然砥石について」でも
研ぎの職人図を紹介していたのでした
これがそうですが
これは室町時代後期の明応九年(1500年)頃に
成立したとされる「七十一番職人歌合」です
絵師は土佐光信
私が持っているのは岩波書店から出ている
解説本で、原文は載せられていないのですが
歌の内容は「和国諸職絵つくし」とほぼ同じなのです
この本のことは全く忘れていて、迂闊でした・・
これで原文が解読できます 大変ありがたい
ということで、読めなかった字を照合してみました
コメントでは
「左歌五文字かな はず〇ゆみねの あひしらひ
あらまほしくや
右はあらうるしの はけめあはぬを
むら雲にたとへたる〇
左右共にさしてもきこへす 持にて侍るへし(引き分け)」
としましたが、左歌の評は
「左歌 五文字かなはず聞ゆ
峰のあひしらひ あらまほしくや」
右の歌の評と判定は
「右は荒漆の刷毛目合はぬを
叢雲にたとへたる歟(か)
左右 共にさしても聞こえず 持にて侍るべし」
ということは最初の〇は
「聞」という字で、次の〇は「歟(か)」でした
参考までに
手許にある「くずし字用例辞典」(東京堂出版)の
「聞」と「歟(か)」を挙げておきます