2011年7月4日月曜日

優れた仕上砥は共通したところがある


これは以前にも紹介したことのある
最近手に入れた中世中山砥ですが・・
参照




上の画像の左のもので研いだ鉋身
鋼は燕鋼です
  

 これは右の砥石で研いだもの
左のものより砥当たりはやや柔らかい感じです



この二枚の仕上砥は 
昔の職人さんが使っていたものですが
上の二種類とよく似ているのです


 研ぎ汁の色はやや違いますが
砥当たりは上の二枚とほぼ同じです


上の画像左の砥石で研いだ鉋身
これは上の画像と同じ鉋身です


こちらは右の砥石で研いだもの
鋼の研ぎ上がりはほぼ同じです

この二枚の仕上砥は
厚みが1cm以下まで使い込まれています
よほど気に入って使っていたものと思われます

以前、木工家の徳永さんの工房で
徳永さんの師匠である竹内碧外氏が使っていた
仕上砥を見せてもらったことがありますが
それも中世中山砥にそっくりな顔
そして研ぎ心地でした
それは5mmほどまで使い込まれていました

2011年7月3日日曜日

アジサイとアマガエル


今年も、アジサイが満開になった頃
カエルになったばかりの小さなアマガエルが
焼物のカエルのそばに寄って来ています・・




2011年7月2日土曜日

粉末ハイス鉋を人造中名倉で試し研ぎ


いま、人造中名倉「京東山」#2000を
いろいろと試しているのですが
この粉末ハイス鉋寸八は
鎬幅が3mmほどしかなく
すべて鋼部分なので
この部分を人造中名倉で研いでみました

研いでみてビックリ
鏡面に仕上がっているではないですか・・
ハイス鋼がこのように鏡面になるということは
天然砥石ではあり得ません


ちょっと拡大してみました
肉眼では見えなかった傷が見えてきました


さらに拡大してみました
傷が刃先まで達しているようです


 さらに拡大
やはり荒めの傷が刃先まで及んでいます


 それでは、と、先日紹介した
刃先だけを研いでみました
肉眼で見ると、かなり荒めに
曇っているように見えますが・・




 拡大してみると
大きな傷は確認できません


2011年6月30日木曜日

初代・金井芳蔵銘の寸八鉋


初代・金井の寸八鉋を手に入れました


この画像の刃は研ぎ上げた状態です

鉋身の鎬幅を狭くし

裏押しを済ませ
これから研いでいきます
動画をUPしました

 これは中研ぎで、シャプトン社の
「刃の黒幕」1000番で研いだ痕

 同じく「刃の黒幕」1500番の研ぎ痕

中研ぎの最後
人造中名倉「京東山」2000番の研ぎ痕
やや針気がありますが
鋼には及んでいません

そして仕上研ぎに使った
京都梅ケ畑、中世中山間府の
天井巣板で仕上げた状態
この鉋は研ぎやすく
独特の粘りを感じます

 天井巣板で鋼が鏡面近くまで仕上がる
というのには驚きます
しかも短時間でここまで
研ぎ上がるのです
これにはたいへん助かります

この鉋を使ったメープル材削りの
動画をUPしました

1977年製スウェーデン鋼の
鉋と削り比べもUPしております

動画で削った後の
初代・金井鉋の刃先の状態
鋼は昔の安来鋼・青紙らしい
まだまだ切れます

こちらは同じくスウェーデン鋼の鉋
こちらもまだまだ刃先は大丈夫です

初代・金井とスウェーデン鋼の鉋は
削った感触はかなり違った印象を受けます
どちらも軽い切れなのですが
初代・金井には粘りを
スウェーデン鋼には鋭さを感じます

2011年6月29日水曜日

究極の仕上砥か・・? 中世中山天井巣板


1週間ほど前に手に入れた
中世中山仕上砥の
天井巣板をいろいろと試しているのですが
これは私にとって、探し求めていた
究極の仕上砥と言えそうなのです・・

ちょっと当たる長い筋もあり
見かけはあまり良くありませんが
これが優れものなのです
やや硬めという感じで良く反応し
中世中山独特のザクザクとした研ぎ感の中に
まろやかな感じもあり、心地よく研ぐことができます
研ぎ汁が全く邪魔にならず、砥面の
当たり具合を感じながら研ぐことができる
私好みの仕上砥です




これは25日に紹介した
優れたスウェーデン鋼の鉋身ですが
人造中名倉#2000の後に研いだものです
ザクザクとした粗い研ぎ感なので
強い研磨力がありますが
鋼は鏡面近くまで仕上がっているのです
これは天井巣板には有り得ない研ぎ上がりです
さざれ銘砥の中岡さんが言われているように
中世中山砥の研磨粒子は別次元ですね
これには大変助かります・・





これも25日に紹介した
メープル材の荒削りに使っている
「も作」銘の寸五鉋です
鋼は安来鋼の白紙系と思われますが
この鋼も人造中名倉#2000の研ぎ傷を
あっという間に消すことができました





そしてこれは今日手に入れた
「中惣」銘の寸五鉋ですが
これもスウェーデン鋼と思われますが
この鉋も研いでみました
研ぎ上がりは上の2丁と同様でした
下の画像の刃は摩耗した状態です


ソフト・メープルの荒削りに使ってみましたが
これも軽い切れ味です


やや刃先の摩耗が早い感がありますが
ここまで刃先が白くなっていても
まだまだ切れるのです