2012年3月5日月曜日

古事類苑のカリンと花梨

古事類苑から
バラ科のカリンとマメ科の花梨の記載
を紹介しておきます
右クリックで別ウィンドウで開くと
大きな画像を見ることができます

製作中の平家琵琶の撥面の絵は
カリンの実を幼少の義仲(木曽義仲)
もぎ取っているところにしようかなと思っています
そこで、カリン酒などを作る
大きな実の生るバラ科のカリンが
義仲の時代(平安時代末)に日本にあったのか
知りたいところなのですが
日本に入って来たのは不明のようです
原産は中国東部(参照)とされているようです

Wikipediaでは中国では木瓜と書くとされていますが
それは日本の木瓜とは違うようです
日本の木瓜(ぼけ)は古事類苑では
真の木瓜は享保年間(江戸時代中期)
日本に渡って来たとされ、カリンとは区別されています

2012年3月4日日曜日

タイトボンドでベニヤ焼き付け

長勝鋸さんに注文している
特注導突鋸を試し挽きするための
ギター・ネックのサンプルに、試みとして
タイトボンドでベニヤを焼きつけてみました

普段は膠・ニカワでやっていますが
タイトボンドの方が焼き付けするのは容易ですね
ただ、沁み出てきて付着したボンドの除去が
容易ではありません




膠は除去が容易なのです
以前、メープルのベニヤをタイトボンドで
試したことがありますが
メープルは緻密なのではほとんど沁み出てこず
問題ありませんでした




濃い色のベニヤだったら
色が濃いタイトボンドの方が
いいのかもしれません
これはまたいつか試したいところです

新作・端材オブジェ2点


2012年3月3日土曜日

平家琵琶の腹板を接着


製作中の平家琵琶
腹板を膠・ニカワで接着


上の画像は膠が下に
垂れてもいいように
新聞紙を敷いていますが
その下はこのように4点で固定しています




参考までに
これは500年ほど前の
平家琵琶ですが
接着部はすべて膠が
使われていました
内部の書付により
安永十年(1781年)
修復されていますので
オリジナルの接着剤は分かりませんが
おそらく膠が
使われていたので
修復の際にも膠を使ったものと思われます
八音抄でも
にかわ付きの面(接着面)は四分(約1.2cm)に弱きほど
内の深さは五分(約1.5cm)にいきたる程
少し撓たわみかかりたるやうに得るべし
と説明されています

現在の琵琶製作では
ソクイ使われるようです

平家琵琶の腹板に堰を接着

製作中の平家琵琶、堰を接着
ピノッキオの鼻のよう・・
この鼻は腹板を槽に接着する際に
槽の底に当たる長さにカットされます
この時やや長めにカットし
腹板を接着したときに鼻のところで
緊張感を持たせるようにします
擦弦楽器の魂柱のようなものですかね・・



八音抄の堰に関する記述

堰を置くこと 撥面参照の中すみの程あるべし。中すみより上へ寄るべからず。二に取らば下へ寄るべし。広き方はしもと云う堰の下がり上がりによりて、声の良し悪しは未だ探り出ださず。堰は板返し固からず、又柔らかならず。木の少し勇めきたらむ良し。堰に別の柱を立たさまにしたるあり。さあるべしとも覚えず。良き物どものは、別の柱をす。ただ刻み残したる長さ二寸(約6cm)ばかりも一寸四・五分(約4,2~4,5cm)もありげなり。すべて甲・腹の木少しおくれたらば堰は太くもこはらか心ざすべし。甲・腹固くしやう過ぎたらば、くつろかにすべし。