12日に紹介した幻の砥石・浄教寺砥を
使った研ぎの画像をUPしておきます
これは動画で最初に使っている
福島県産の会津荒砥
粒度は約400番
やや硬めで、ほど良い研ぎ感
たいへん使い易い砥石です
研いでいる鉋身は11日の鉋仕立ての
レクチャーで裏出しをし
後日こちらで裏押ししたもの
この鉋刃はギター製作用として
研ぎ上げていきました
次に荒目の伊予砥
粒度は約600番
これはやや柔らかめですが
その分よく下り、研ぎやすい中砥です
そして、幻の浄教寺(じょうけんじ)砥
常見寺とも表記されます
江戸時代の砥石に関する文献では
ほとんど常慶寺と書かれています
たとえば、江戸時代の初めに書かれた
雍州府志では
「越前えちぜん(福井県)に
常慶寺砥というものがあり、
これは俗に「じょうけんじど」と
呼ばれている」
と説明されています(参照)
こちらは同じく浄教寺赤砥
これも福井県に産しますが
現在では掘られておらず
大正時代頃まで掘られていたようです
粒度は赤砥の方がやや粗い感じで
傷も深いような気がします
研ぎ感も赤砥の方が力があります
後に新たに手に入れた浄教寺砥
そして三河名倉砥、層はアツと思われます
強い研磨力があり
浄教寺砥の傷が僅かの時間で消えました
日本刀の研ぎでは
浄教寺砥の後は改正名倉をかけますが
一般的な刃物でしたら
その必要はありません
仕上げ研ぎは
中継ぎとして奥殿産巣板
そして最後の鏡面仕上げは
仕上砥石の名門
京都梅ヶ畑産の中世中山砥です
これはそこそこ硬い石質ですが
反応が良いので
心地よく研ぐことができます
これはさゞれ銘砥さんから
お世話になりました