画像を紹介しておきます
今回手に入れたのは
京都相楽郡和束wazuka産の青砥
江戸時代の中頃
正徳二年(1712年)頃に出版された
日本山海名産図会で説明されている「杣田」が
和束産のものなのでしょうか・・
興味が湧きます・・地図参照
一般的に、仕上砥は板目面で研ぎ、
青砥は柾目面で研ぐとされていますが、
この青砥は板目面が
研ぎ面になっていました
現状で側になっている柾目面で研いでみると
やはり研磨力が強く減りも少ないので
このように半分にカットし
柾目面が研ぎ面になるように向きを変え
瞬間接着剤で接着しました
面を平らにした状態ですが
これで柾目面を研ぎ面にすることができました
動画はこの状態から研ぎ始めました
参考までに、これは丹波亀岡・岡花産の青砥
これまで様々な青砥を使ってきましたが
この岡花産の青砥は最も優れています
こちらは和束産の青砥ですが
丹波岡花産よりも研ぎ感が力強く
研磨力もはるかに強いものでした
これには驚きました
砥石の硬さはこちらの方が上の岡花産よりは
やや柔らかい感じですが
柔らかさを感じさせない砥当たりです
研ぎ傷も砥当たりの印象よりも緻密で
粒度は岡花産とほぼ同じですが
研ぎ傷の方はこちらの方が浅いかな
という印象を受けます
動画でも行いましたが
板目面でも研いでみました
柾目面より滑らかな研ぎ感ですが
研磨力は落ちる感があります
鋼の研ぎ傷は柾目面よりも
緻密に研ぎ上がっています
ということは最初に柾目面で研いで
その後、板目面で研ぐということもできそうですね・・
そして、動画で仕上げ研ぎの中継ぎとして使った
京丹波・日照山産の戸前です
この産地は京都府の仕上砥産地としては最北になります
日照山は数年前に閉山され、今では採掘されていません
地図参照下さい
この仕上砥はやや硬めですが
研ぎやすく、強い研磨力があります
日照山産の仕上砥は「合石成り」の砥石山なので
梅ヶ畑のように「本口成り」のものよりも
研磨力が落ちると言われていますが
この砥石を使ったかぎりでは
そうとは言えない印象を受けます
地鉄(じがね)は微塵に曇り
鋼(はがね)はやや光るほどまで仕上がりました
この状態でも充分仕事で使えます
動画で最終仕上げとして使った仕上砥で
滋賀県高島の相岩谷(あいおいたに)産です
硬い石質ですが、よく反応し強い研磨力があります
ピカピカの鏡面に仕上がります