ここ丹波篠山在住の木彫家
注文をして10年経っていました・・
高さ4.5cm
琵琶は平家琵琶
琵琶と人物の高さはほぼ同じだから
琵琶の長さも4.5cmということになります
その小さな琵琶の部品は
さらに小さくなるわけですが
絃を巻き付ける転手tenjuが
本物のように海老尾に
差し込まれているのが凄い
甲(裏板)には遠山enzanという
山形の彫りが施してあります
絃を結び付ける覆手fukujuも本物と同様の
形状に作られているのにも驚きます
撥・バチも平家琵琶と分かる形状ですね・・
左手に持っている、ということは
左利きの奏者でしょうか・・
江戸時代初め頃の茶人で
平家琵琶を弾いたり
製作したりしていたことで知られている
山田宋徧は左利きだったということですが
もしかしてそのことを
意識して作られているのでしょうか・・
やはり絃があった方がそれらしいので
こちらで張ってみました
加茂人形は柳の木で作るのだそうですが
崎山氏は柳の木を削っていると
目や鼻の奥が痛くなるので
これを最後に加茂人形を止めると
話していました
この琵琶を持っている人物が
最後の作品ということになります
今後は根付や彫刻付きの印材を
柘植・ツゲの木で彫っていくということです
この獅子などの存在感は
以前紹介した寺社彫刻師の
中井権次一門の獅子と
比べても遜色はありません・・
これは江戸時代の根付の名工である
鈴木正直まさなおの写しですが
緻密さは本歌以上のものがあります
感服します・・