2014年8月24日日曜日

デジタルマイクロスコープを新調


これまで使っていたデジタルマイクロスコープは
ピント合わせに苦労するので
思い切って買い換えました(参照
以前紹介した関東産と思われる青砥の




研ぎ傷を撮影してみました
以前のものと違ってピント合わせがかなり楽で
保存する前に画質の調整も出来るので
これはこれから重宝しそうです

倍率は180倍ということです




次に仕上砥ぎとして山口県産杭名砥で


中継ぎ研ぎをし



硬口の木津山産戸前で


最終仕上げをしました




その研ぎ傷の拡大画像です

これまでと違って刃先の状態が
緻密なところまで確認でき
研ぎ傷の状態も観察することができます

余談ですが、鉋の場合
このように刃と直角方向に研ぎ上げると永切れします
加えて仕上げ研ぎの最後に刃先を
ほんの少し蛤(はまぐり)刃にすることで
さらに永切れする刃先を得ることができます
私は片手で軽くやっています(動画参照下さい
この動画の6:03(6分3秒)くらいのところ

2014年8月22日金曜日

江戸時代初め頃の歴代天皇埋葬地 認識状況


以前紹介した楽只堂年録
興味深い記載がありました
最後の条に
吾国わがくに代々の諸陵、乱世を経て
其所も慥たしかに知る人なく成行き
土民、是を敬ふ(う)事をしらず
樵夫(木こり)・牧豎(ぼくじゅ:牧童)のために
踏けがされぬ(されている)といふ事を
吉保よしやす伝へ聞て、浅ましく悲しき事におもひ
上聞に達して(君主に伝えて)、修理を加へん事を勧め奉る
云々・・とあり
それを機に古墳の調査が行われたようです

吉保が京都の所司に厳命を下しているほどなので
調べる方としては期限中に何とかしなければ
ということもあったりして
無理にこじ付けた箇所もあったかもしれませんね
興味深いところです・・

ザッと目を通してみると、たとえば
崇神天皇は山ノ辺の道に葬る、とされていますが
これは苦しそうですね・・山ノ辺の道といっても長いので・・
崇神天皇は実在しないという説も有力なので
このあたりも興味が湧きます

それよりも何よりも、この天皇の順は
神武天皇が最初に書かれてあるので
二代目→三代目・・と順に書かれてあると思うのですが
この順がそもそも今とはかなり違いますね・・
これはいったいどういうことだろう・・
天智天皇の弟とされる天武天皇が先に書かれていたり・・

現在、仁徳天皇陵などこれまでの通説が覆っていますが
この、江戸時代初め頃に書かれた楽只堂年録の内容が
宮内庁や考古学者がどう思うのか知りたいところであります































2014年8月21日木曜日

ムカデに咬まれ記念

先月、家の者がムカデに咬まれた
人の不幸を喜んでいたら
二日前、こんどは自分が咬まれた・・因果応報・・
ということでムカデ咬まれ記念にムカデのブローチを買った







ムカデに咬まれたとき
猫はなんの役にも立たなかった・・
少しは反省しとるかな・・



ムカデ咬まれ記念のもう一つ
百足(むかで)再来記
題名だけで買ったのだが百足が登場しない・・
最初に百足山というのが書かれてあるだけ・・
くずし字辞典を片手に読み進めてみると
これはどうも幕末に近江(滋賀県)で起こった
一揆のことのようです・・参照下さい







2014年8月19日火曜日

鳴門浜の波と貝殻 そして仕事


二日前、淡路島にちょっと行ってきました
せっかくなので少し足を伸ばし徳島県の鳴門海岸まで・・









その時持ち帰った赤貝の殻をじっくりと観察
砂浜の波打ち際で揉まれ、こうなったのだと思うが
この状態になるまでどれほどの時間がかかったのか
気になるところ・・


砂浜を歩くと足跡が残るが
これは砂自体に傷を付けているわけではなく
仮の傷跡ともいえるものですぐに消える


ところがこの砂によって傷付けられた貝殻の傷は消えない
だが、この砂粒も元々は陸の岩が砕けたもの・・と
とりとめのないことを、しみじみと思ったのでアリマシタ・・




さてこちらは今日の作業の様子
製作中の特注Laprevotteタイプ
縁飾りを接着しました


きょうは何故か検査の目が厳しい・・




2014年8月18日月曜日

中野武夫氏作 東郷鋼鉋 削り比べ 

まず、中野武夫氏作東郷鋼鉋
(寸三・身幅55mm)を
他の特殊鋼、安来鋼青紙スーパーと
燕鋼の寸三鉋と削り比べを
やってみました
左から東郷鋼寸三、青紙スーパー鋼寸三、燕鋼寸三


削った材はギター用材として
最も削りにくいものの筆頭
ホンジュラス・ローズウッド

粘りが強く強烈な逆目交じりの堅材
これを荒削りしてみました

動画で最初に使ったのは
中野武夫氏作東郷鋼・寸三

刃角度は約25度

動画撮影後の刃先の状態

次に使ったのは青紙スーパー鋼・寸三
一応、銘にモザイクをかけ作者は
伏せておきます

刃角度は約28度

動画撮影後の刃先の状態

最後に燕鋼・寸三
これも銘にモザイクをかけ作者は
伏せておきます

刃角度は約28度

動画撮影後の刃先の状態

鉋身の仕込み角度は
手前の東郷鋼と青紙スーパー鋼は
ほぼ八分勾配(約40度)
奥の燕鋼はほぼ九分勾配(約42度)
動画撮影後の刃先の状態は
3丁ともほぼ同様ですが
燕鋼は切れが止みかけています
東郷鋼と青紙スーパーはまだ切れていますが
切れが軽いのは東郷鋼の方です
削る音も東郷鋼は最も軽い感じがあります

次に中野武夫氏作東郷鋼鉋・寸三と
(身幅57mm、炭素鋼)とで
削り比べをやってみました

左が東郷鋼・寸三(刃角度約28度)
右は秀弘(炭素鋼)・寸三(刃角度約28度)


削った材は同じ
ホンジュラス・ローズウッドです
これは東郷鋼

動画撮影後の刃先の状態

これまで現代製の東郷鋼鉋を
いろいろと手に入れ、使ってみましたが
どれも仕事で使えるレベルでは
ありませんでした
しかし、この中野武夫氏のものは
これまで使った中では最も強靭で永切れします
充分仕事で使えます

こちらは秀弘寸三

動画撮影後の刃先の状態
こちらは東郷鋼よりも
やや刃持ちがいいような気がします
研いだ感じは東郷鋼よりも強靭で
研ぎ上げるのにやや苦労します

動画の削る音を聞いて頂くと
この秀弘鉋の方が鋭い感じが分かって
頂けると思います
やはり優れた炭素鋼は切れが軽く
しかも永切れし
ついつい手が伸びてしまうのです・・