10mm幅の小刀を新調(右端)
鋼はスウェーデン鋼、作者は伏せておきます
鋼に青いところがあるのは焼戻しを行ったため・・
手に入れた状態では切れが重く
とても使える状態ではありませんでした
特にこの作業、粘りの強いメープル材の
ネック・ヒール部分を0.5mmのメープル・ベニヤ
を巻いたネック部と同じ面になるまで削るには
切れが軽く、切れのコントロール性がよくなければ
仕事になりません
そういうことなので
最初は約180度で焼き戻してみましたが(参照)
やや切れは軽くなったものの
左の2本と比べるとハッキリと分かるほどの違いがありました
そこで今度は約200度で焼戻し
それでも改善されなかったので
最後の手段としてガスコンロで焼戻しをしたのが
最初の画像の青い鋼部分です
この状態は300度ほどになったものと想像されます
これで何とか仕事で使えるようになりました
メープル材を削った後の状態(倍率は約180倍)
研ぎ上げた仕上砥はやや柔らかめの新田産巣板
刃角度は約28度
この鋼の状態は手に入れた状態から比べると
かなり鈍く(柔らかく)なっていると思いますが
こちらの方が切れは断然軽く、コントロール性も優れています
ですからある程度よく鍛えられた鋼でしたら
小刀の場合は焼き入れは甘い(鈍い)方が良いように思いますね
そういうことなので、やはり、徒然草にある
「よき細工は少し鈍き刀を使うといふ」というのは
こういうことを言っているのではないでしょうか
これは上の画像中央の小刀で
古い会津刃物の銑を切り分けて自作したもの(参照)
研ぎ上げた仕上砥は福井県中井産若狭砥の硬口(参照)
刃角度は約27度
そしてこれは上の画像左端の
15年ほど使っている刀匠作のもの
鋼は安来鋼・青紙
これは2週間ほど前に研ぎ上げたもので
仕上砥ぎに使った砥石を覚えていません
刃角度は約28度
縁飾り仕上がり