早速試し研ぎを行いました
動画で最初に使ったのは
最初に製品化された再生伊予砥の普通の硬さのもの
2分ほど研いだ状態
刃先から鎬(しのぎ)面までの幅は8.5mm
通称 三分研ぎ(6mm前後は二分研ぎ)
刃先の拡大画像(約180倍)
次に使ったのは
新製品の再生伊予砥・硬口
肉眼では普通口のものに比べると
緻密に研ぎ上がっているように見えます
ですが、研ぎ傷の状態は
それほど変わらないように感じます
次に天然伊予砥の硬口を使ってみました
天然砥石独特の
しっとりとした研ぎ上がりです
研ぎ傷もやや浅いように感じます
次に使ったのは同程度の硬さの三河名倉
層は八重ボタンといった感じです
肉眼では再生伊予砥の硬口と
同じように見えます
研ぎ傷は上の天然伊予砥と同様
といった感じですか・・
これは動画では使っていませんが
参考として
シャプトンの刃の黒幕#1500を
使ってみました
かなり深い研ぎ傷です
再生伊予砥の硬口で研ぎ直しました
研ぎ傷の深さの差は歴然としています
こうしてみると
再生伊予砥は人造中砥と天然中砥の
中間的な研ぎ傷が付くような印象を受けます
そして仕上砥ぎは
京都梅ヶ畑、菖蒲産の仕上砥を使ってみました
八枚層のような質感のものです
1分ほど研いだ状態
程よい硬さで研ぎ易く
鋼(はがね)は光る程度に
そして地鉄(じがね)は微塵に曇ります
これで充分仕事で使えます
羅生門独特の刃先の状態
焼きが強靭に入っているためか
刃先はやや荒れていますが
通常の仕事でしたら
削り肌にはほとんど影響は及びません
鉋の場合は刃先の強靭さが重要なので
これくらいの状態が永切れしてくれます
ニス塗りの合間に
次に製作する2台の特注ギターに取りかかりました
これはサウンドホールの縁飾り
響板のドイツ・スプルースを膠・ニカワで接ぎ合わせ
YouTube動画で見つけた興味深い内容の動画
焼け身で鈍(なまく)ら
になった古い短刀を
手に入れ仕事で使う
特殊小刀を作ってみました
形状は先般手に入れた
備中鍛冶の
同様のものに形成しました
焼きが戻っていても
グラインダーにかけると
精緻で細かい炭素鋼系の
火花が飛びました
これまでの経験から
このような火花が飛ぶものは
小刀として優れているものが
多いので
期待が持てそうです
焼き入れをやり直した
やや低めの温度で
焼きを入れたので
焼戻しは160度ほどで
10分やってみました
焼戻し後、両側から同様の
角度で刃角度が30度ほど
になるように
研ぎ上げましたが
研いだ感じでは
かなり強靭な焼きが
入っている手応えが
ありました
柔らかめの材で
試し削りをやってみましたが
かなり切れが重いので
再度、約190度で20分ほど
焼戻しました
これでかなり切れが軽くなり
削り肌も美しくなりました
さっそく仕事で使ってみました
なかなか良い具合です
その後
硬い本黒檀の木口削りを
やってみましたが
木口削りの切れも
軽く行えました
本黒檀の木口削りを行った後の
刃先の拡大画像(約180倍)
刃先にほとんど
変化はありません
研ぎ上がりの状態も良く
かなり練れた粘りのある
鋼のような印象を受けます
このような刃先は
現代製の玉鋼では
あまり見られないような
気がします
この短刀は、時代は古くても
江戸時代の中頃と思われ
日本刀の出来としては
凡庸ですが
それでも刃物としてかなり
優れているのに
正直なところ
驚かされました・・
こちらは先に紹介した
佑水銘の小刀
鋼は青紙スーパーだと
いうことですが
切れはこちらの方が
さらに軽く
これにも驚かされた
次第であります・・
アールがきついところは
この幅の小刀では
やや削りづらいので
もう少し刃幅を
狭くしたいところです
修復中の筑前琵琶
欠落している覆手の装飾部品の加工
このように接着して完了
こちらは19世紀ギターのブリッジ
切れ端の形に何故か惹かれるものがある・・
ギター3台分のブリッジ出来上がり
膠(ニカワ)接着
メープル仕様の特注モダン・タイプ
弦長630mm
こちらもMaple仕様の19世紀ギター
ラコート・タイプ 弦長630mm
これは修復中の19世紀ギター
裏板の割れ部分の矯正もうまく行き
補強材を接着し直しました
この後、埋木をしてニスの補修を行います
ヘッドの形状とネックの継ぎ部分を見ると
19世紀ギターに詳しい方は
ラベルの銘が判るかもですね・・
工房近くの一本桜は
そろそろ散り始めている
写真は満開の時のもの
もうこんなに伸びています
花の蕾も・・
ほんとにこんな実が生るのかな・・
種類があるのかな・・
ま、楽しみにしておきましょう
これは工房裏の草むらの花々