2016年3月22日火曜日

古い会津鉋 重高二種

以前紹介したことのある古い会津鉋
身幅15mm

彫刻刀として使っていましたが(参照

堅めの桑材の木口削りのための
豆平鉋が必要になったので
このように改造しました





この作業で使いました
木口削りは、やはり一枚刃が良い
左の身幅35mmのものも重高銘



これは修復中の古い琵琶の転手になります

2016年3月20日日曜日

古い会津刃物 重光銘を入手 作里鉋か・・

重光銘の古い会津刃物を入手
作里鉋の刃でしょうか・・


初刃Ubu-haの状態で、使われた形跡はありません

堤章・著「会津の刃物鍛冶」によると
重光銘を鍛えていたのは
晴山庄一郎という人で、明治42年生まれ
刃物鍛冶の修行を始めたのは
当時としては遅く、17歳のときに
二代目・重正に入門しています
その後、刃物鍛冶として独立開業したのは
昭和5年(1930年)、21歳のときですから
年季明けは早かったことになりますが
当時は20歳になると徴兵検査があり
それが徒弟年季の節目になっていた、ということです

銘の重の字は師である若林重正系の「里重」になっています

先端部の刃角度は30度以上あります

ノミの柄に挿げてみました
仕事で使えるかも・・刃の幅は20mm

グラインダーで刃角度を修正した状態
刃角度は約30度
肩の部分もノミらしく少し丸めてみました

裏を研ぎ上げた状態

研ぎ上げ完了
鋼Haganeは炭素鋼系
地鉄Jiganeは鑿Nomiに使われるもののように
しっかりとした印象を受けます

刃先の拡大画像(約150倍)
やや細かい毀れKoboreがありますが
これは研ぎの影響かもしれません
しばらくいろいろと砥石を吟味してみようと思います

さっそく試し削り
マリアハープのブリッジ材として加工中の
槐Enju材を削ってみました
堅く粘りのある材ですが
切れ味軽く、コントロール性も優れています

木口Koguchi削りも問題なし


いろいろと試し削りを行った状態
部分的に白く磨耗しているところがありますが
まだまだ充分切れます

仕事で充分使えるどころか、主力で使っている
弘正銘の薄ノミ(鋼は特殊鋼)よりも切れは軽く
コントロール性も優れています



ブリッジ材の部品が出来上がりました

そして弦を張り、完成





2016年3月18日金曜日

古い会津鉋 重清2丁で削り比べ 槐材を荒削り

昨日紹介した古い会津鉋
重清銘2丁を

使い古しの台に挿げることにしました

会津鉋は身が薄いので
まず、このように馴染みNajimiに
薄板を貼って押さえの溝を修正しました

台挿げ完了


さっそく試し削りをやってみました
こちらは身幅43mmの際鉋だったもの

こちらは身幅38mmの全鋼・内丸鉋だったもの
削った材は桑材(島桑と思われます)

やや石気を含んでいたので
すぐに刃先がやられましたが
まだまだ切れます

次に通常の鋼の鉋では
すぐに刃先がやられる本黒檀を削ってみました

長さ約50cmのものを20回ほど削ったら
このように刃先が磨耗し
切れが止みました

こちら全鋼のものも

20回ほどできれが止みました
刃先の磨耗はこちらが激しい感じです

ですが、本黒檀を削って
刃先がツルツルの状態でも
このようにMaple材を軽く削ることができます
刃先は甘めでも、優れた鋼は
このように永切れしてくれます


昨日のブログのコメントで
削っているところが見たい
という要望がありましたので
研ぎ直した後、動画撮影をやってみました
YouTubeに動画をUPしました

削った木は槐Enju材
重く堅めの材です

動画撮影後の状態


動画撮影後の刃先の状態
こちらは身幅43mmのもの
少し磨耗していますが
まだまだ刃先は健全です

こちらは身幅38mmの全鋼のもの
上の43mmのものよりも
刃先の磨耗は進んでいますが
まだまだ切れます

その後、挽き割り

マリアハープのブリッジを作っていきます