特注 初期ミルクール・タイプの
側板を組上げたところ
こちらは平家琵琶の槽(背面板)
材はアサメラ1枚板
接着面の仕上げに先般手に入れた
浪花淩作銘の古い寸八
長台鉋を使ってみた
アサメラ材は堅材の部類ですが
それほど堅さは感じません
ただ、柾目面は1cmほどの間隔で
強烈な逆目が交じっていて
その逆目を止めるのはかなり
難しいところがあります
逆目はほぼ止まっていますが
かなり強烈な逆目なので
白く曇って見えます
接着面を仕上げた後の刃先の状態
ハイス鋼でもさすがに刃先が
白く磨耗していますが
まだ切れは止んでいません
強烈な逆目を止める鉋仕立て
についてはこちらを参照ください
こちらはマリアハープのブリッジ
として使ったアサメラ材
これを削る際に古い三木鉋
三代三郎銘と甲子銘で
削り比べをやってみました
板目を削ったので、強烈な逆目はなく
堅いアサメラ材でも切れは軽い
とくに右の「三代三郎」銘は
軽快に削ることができる
ウォルナット材やセドロ材では左の
「甲子Kinoe-ne」銘が
切れが軽く永切れしてくれたが
このアサメラ材では
「三代三郎」銘の方が切れが軽く
刃先の持ちも良かった
鋼というものは不思議です・・
マリアハープ2台分のブリッジの
厚みを仕上げたところ
こちらは「甲子Kinoe-ne」
寸六(特殊鋼 昔の青紙鋼か)
刃先がかなり磨耗していて
ほぼ切れが止んでいる
こちらは「三代三郎」
寸六(特殊鋼 昔の青紙鋼か)
「甲子」寸六とほぼ同程度削った状態
やや刃先は磨耗しているが
切れは軽快でまだまだ切れる
次に形状を仕上げていく際に
3丁の小鉋で削り比べをやってみた
これは荒削りで使った古い会津鉋
重輝(玉鋼)
そして、これも荒削りで使った
燕鋼(tsubame-hagane)の
善作銘(現代製)
3丁めは仕上げ削りに使った
青紙系特殊鋼の小鉋
銘はモザイクをかけ伏せておきます
削り終えた状態
結果は上の三木鉋の削り比べと同様で
特殊鋼の燕鋼が最も切れが軽かった
次に青紙系特殊鋼、そして玉鋼は
最も切れが重かった
これには驚かされた
玉鋼の切れの鋭さが
このアサメラ材では
裏目に出たのか・・不思議・・
材と鋼の相性をこれまで
顕著に感じたことは初めてです
最も刃先が持ったのは玉鋼で
これは昔の会津鉋重輝
次に燕鋼(現代の善作銘)
そして青紙系特殊鋼で
これは現代の某有名メーカーのもの
作業後の刃先の状態
これは青紙系特殊鋼
ほとんど切れが止まっています
この鉋は青紙系の鉋としては
かなり優れているのですが・・
これは燕鋼
刃先はかなり磨耗しているが
切れはまだ軽快
そして玉鋼
刃先は少し磨耗している程度で
まだまだ切れる