2020年1月16日木曜日

左甚五郎について


左甚五郎について
ちょっと調べている
講談や落語でも有名ですが
おもしろおかしく
脚色された部分が多く
また左甚五郎作とされる
彫物が300年間にわたって
存在しているので
実在の人物ではない
と主張する人もこれまでいた

ところが、実は左甚五郎は
七代続いていて
三代までは左甚五郎を
冠していた
初代は左甚五郎利勝
二代、左甚五郎宗心
三代、左甚五郎勝政
四代、左利右衛門利正
五代、左利平忠能
六代、左喜代蔵
七代、左忠義(光挙)
光挙は上に紹介した本の著者

初代左甚五郎は
日光東照宮の他に
寛永の江戸城大改修にも
参画していますが
そのときには義理の父であり
師でもある甲良宗広の
添棟梁として加わっていた
ということも判っている
ということは本業は大工で
有名な彫物は
余技だったことになります
これらのことは
今までまったく知らなかった

上の「名匠左小刀」と
この「左甚五郎の事跡と
その後」という本は
左甚五郎の九世七代にあたる
左光挙という人が
数十年に亘る研究の成果を
昭和の中頃に
世に問われたもの

現在、インターネット上で
Wikipediaなどで
書かれていることは
ほとんどが
この左光挙氏の著書を
参考にされていて
没年以外はほぼ
同じ内容になっています
初代左甚五郎の出身地は
播州明石(兵庫県南部)で
幼名は刀禰松(とねまつ)
その後、飛騨高山(岐阜県)
を経て京都伏見で修行し
江戸に赴いています
先に述べたように
そこで江戸城の寛永の
大改築に加わっていますが
そのときは義理の父であり
大工の氏でもある
甲良宗広の添棟梁として
参画しています
これらのことは
「生駒家士分限録」に
記録されていて
これも事実のようです

その後、江戸城の大改築に
加わったことで
内部機密を知っている者を
消す、という幕府の計画
により、暗殺されそうに
なったため、四国の讃岐
高松(香川県)に亡命し
生駒家にかくまわれました
その際、左宗恵と
改名しています
このことも記録があり
確かなようです

これは有名な
日光東照宮の眠り猫

改修前の状態


杉板に描かれた猫

滋賀県園城寺
閼伽井屋の龍

京都祇園祭りの
鉾山の飾り鯉

埼玉県吉見観音の虎

鳥取県西橋寺の波兎

これは手許にある
江戸時代の彫物、波兎
もちろん左甚五郎
ではありません・・

和歌山県紀州東照宮の鷹

鳳凰に桐の寄木彫刻

これは初代左甚五郎利勝作と
伝えられている獅子の墨壺

画像上は初代作
獅子の香合
下左は四代作
獅子の香炉
右は初代作
獅子の香炉

二代作とされる墨壺

この部分は江戸時代初期
黒川道祐とい人が書いた
遠碧軒記という見聞雑記で
初代左甚五郎について
少し書かれています
ここでは左甚五郎は
栄徳の弟子と説明
されていますが
これは間違いで
左光挙氏は、左甚五郎の
堂宮彫刻の下絵の師である
狩野孝信の父、狩野永徳
と混同しているのであろう
としています
因みに左甚五郎の大工の師は
京都伏見の禁裏大工棟梁
遊左法橋与平次

左甚五郎の家系図


左家の墓碑についての説明

左甚五郎の歌碑

これは左甚五郎のとは
関係がありませんが
以前、明月神社のところで
紹介した江戸時代の
近畿の大工組織の様子
参考までに・・

2020年1月15日水曜日

ビウエラの原寸図そして二絃の楽器

特注ビウエラ Vihuela の
製作に取りかかりました
図面全体の動画もUPしました
胴体が幅広いタイプです




天保四年(1833年)に
刊行された茅窓漫録
(ぼうそうまんろく)を
眺めていたら、偶然
二絃の楽器について書かれて
あるところを見つけた
これはおそらく中国の二胡か
モンゴルの馬頭琴と
思われます
日本でも二絃の胡弓が
作られていたようですが
胡弓は本来三絃で、日本では
二絃の楽器は珍しい

こちらは和漢三才図会
掲載されている胡弓で
ここでは鼓弓と
記されています
説明では
「考えるに、その始まりを未だ詳らかにせず、形は三絃(三味線)に似ているが小さい。撥(バチ)を用いず小弓の弦(つる)を以て鼓く(弾く・ひくか?)。故に名を鼓弓(こきゅう)と名付く。その音、最も悲哀なるものなり。勢州(伊勢・三重県)宇治の乞正?(ゴゼのことでしょうか?)毎に之を鼓(弾き)て謡う。また相伝わる鼓弓は南蛮(東南アジア)より始まる。かの土人は行住毎に(何かにつけて、あるいは事あるごとにの意か?)これを弾き、蛇や爬(爬虫類)を避けていたらしい。」 
意訳・読み下しに間違いなどあったら
ご教示願います


2020年1月12日日曜日

ディタル・マリアハープに弦を張る

製作中のディタル・マリアハープ
弦を張り終えました
数日後ある程度弦の伸びが
落ち着いたら
半音レバーを取り付けます



天川さんに作ってもらった
羊皮紙ロゼッタ
いつもながら、素晴らしい出来です








弦を張る前の状態




2020年1月10日金曜日

検査官登場 そして丹波立杭焼末晴窯

検査官は飛行機が飛ぶ動画が好物
とくにスクランブル飛行は
大好物

私はカニが大好物
食べるのではなく
ただ眺めるだけ

これは近くの篠山川の
川岸で拾ったカニの死骸
外骨格だけ残ったもの
こういったものは珍しい

それと亀も好物
これも眺めるだけ
これはガチャポンで
ゲットした
ギリシャリクガメ


手足、そして首が動き
口まで開く優れもの

そして何と言っても
アンモナイト Ammonite は
大好物
これも眺めるだけ

アンモナイトを載せている
銘々皿は
丹波立杭焼末治窯の
西端春奈さんの作品
乾山のような絵付けが
素晴らしい