2022年1月2日日曜日

梁塵秘抄と白拍子


ここ1ヶ月ほど
後白川院が著した
梁塵秘抄歌詞集に
目を通しているのですが
これは平安時代末に流行した
今様に魅せられ、打ち込んだ
後白川法皇の足跡
とも言える記録です
後白川院は十数歳の頃から今様を歌い始め、40数年間「今様」を好んで続けたことで知られています。これほど長年に亘って今様を続けた人は今様の名人にもいなかったとされていて、後白川院はその徳についても述べています。
その一節「心を致して神社・仏寺に参りて歌ふに、示現(じげん:神による奇跡)を被り、望むこと叶はずといふことなし。官(つかさ)を望み、命を延べ、病をたちどころに止めずといふことなし。云々」

後白河院の今様の師は乙前という60歳代の白拍子とされていて、
姿はこのような感じだったのでしょうか(東北院職人歌合から)・・
後白河院は十数年乙前に師事したとされ
乙前は84歳で亡くなったことが院によって記されています。

職人絵に描かれている
白拍子

同じく白拍子

こちらは七十一番職人歌合から
白拍子とくせまい舞(曲舞舞)

江戸時代初めの画家
海北有雪によって描かれた
曲舞舞の踊り子

同じく「くせまひ舞」図

今様については
枕草子や源氏物語にも
書かれているようです
この絵は枕草子絵巻から
無明という銘の琵琶について
描かれている場面


当時の合奏図

2021年12月31日金曜日

窓鋸の柄、改造完了

先日紹介した 
窓鋸の柄、改造の続き

接着が乾いたので
南京鉋 spokeshaveで削る



鉋仕上げだけでは
滑って握りにくいので
鋸ヤスリで表面を
荒らしておく


出来上がり

2021年12月30日木曜日

楽琵琶の堰・虹 そして欠け石に水晶

 

篠山川で拾った
欠け石に水晶を接着




こちらは工房の様子
製作中の楽琵琶の堰(虹)を
作るためタモ材を製材するため
尺二(刃渡り36cm)窓鋸を出してきたが
柄が小さく挽きにくい
毎度のことなので
今回柄を延長することにした


ヒノキ材の端材で
柄を追加延長、接着
太さも少し太くする


接着剤が乾いた後
鉋で握りやすく加工すれば
出来上がり

こちらは一尺(刃渡り30cm)窓鋸で
製材したタモ材
個体が違う木から挽き出したもの
重さと堅さが違う
どちらを使うか思案中

動画で最初に持ったタモ材
重さは約290g

堅い材
重さ約340g
この体積で50gの違いは
持った感覚はかなり違う

楽琵琶の堰sekiについては
八音抄では以下のように
説明されています
「堰を置くこと撥面中すみの程あるべし。中すみより上へ寄るべからず。二に取らば下へ寄るべし。広き方はしもと云う堰の下がり上がりによりて、声の良し悪しは未だ探り出ださず。堰は板返し固からず、又柔らかならず。木の少し勇めきたらむ良し。堰に別の柱を立たさまにしたるあり。さあるべしとも覚えず。良き物どものは、別の柱をす。ただ刻み残したる長さ二寸(約6cm)ばかりも 一寸四・五分(約4.2cm~4.5cm)もありげなり。すべて甲・腹の木少しおくれたらば堰は太くもこはらか心ざすべし。甲・腹固くしやう過ぎたらば、くつろかにすべし。」

2021年12月28日火曜日

お薬の時間ですよ そして織物ネコ 


獅子の香炉で遊ぶ
螺旋部分が露出するように
カットされた巻貝の貝殻を
獅子の口に取り付け
丸薬のように加工され
虎目石の玉を
口めがけて転がす

こちらは
大掃除で見付かった端裂
猫が織られている

琵琶が描かれた
古い掛軸に貼ってみた